雑録

2006-11-01から1日間の記事一覧

筒井康隆『パプリカ』(新潮文庫)

大衆娯楽小説。 第一部と第二部に分かれる。全編を通して、心理学者:千葉敦子がパプリカに扮して活躍する。 第一部では、パプリカが2人の人物の精神病を治療する。精神病を治療するまでの過程が比較的論理性を持った治療として、描かれる。第二部では、非…

武田泰淳『ひかりごけ』(新潮文庫)

◆流人島にて 舞台設定は日本の太平洋側の諸島。罪人が奉仕のために流されるある島があった。そこは本州から遠く離れ、一種の島独特の共同体を形成していた。主人公はかつてその罪人であり、島の労働力として酷使されてきた。だが、あるとき偶然雇い主から殺…

遠藤周作『留学』(新潮文庫)

『ルーアンの夏』『留学生』『爾も、また』の三部構成。いずれも留学時における文明の衝突がテーマ。 『ルーアンの夏』は戦後直後が舞台で功名心のためにキリスト教留学というカタチをとった若者:工藤が、実際にフランスに留学してみて感じる違和感に惹きつ…

坂口安吾『母の上京』『外套と青空』『私は海をだきしめていたい』『戦争と一人の女』『青鬼の褌を洗う女』(新潮文庫『白痴』内収録)

◆『母の上京』 舞台は戦後。終戦後のどさくさに紛れ商品を横流し、闇で一財産きづいた男が主人公。だが、取り締まりが厳しくなり、闇での商売が立ち行かなくなる。大衆的屋台で働く母娘と女形崩れのオカマと一緒に暮らしていたが、男が隆盛だったときは娘と…