雑録

2008-02-12から1日間の記事一覧

田中克彦『ことばと国家』(岩波新書)の感想

三、俗語が文法を所有する 書き言葉=聖なる技術 母語によらない書き言葉の術は、知識と情報の階級的独占が必要なところではいつでも頑固に保持された。 慣れや有用性の観点からではなく、文字術の秘儀性 文法のイデオロギー 文法を生み出して国内および国外…

九、ピジン語・クレオール語の挑戦

ピジン語とは 言語接触による地域の間に合わせのごちゃまぜことば 二つの言語が出会うところに生じた第三の言語をおしなべてそう言う。 クレオール語とは ピジン語が母語化したもの ピジン語を使う夫婦が子供を産むと、子供の母語はピジン語となる。ピジン語…

八、国家をこえるイディシュ語

イディシュ語とはアシュケナージ(「くずれたドイツ語」を母語とする中・東欧のユダヤ人)がライン河畔で形成した言語のこと。 ユダヤ人に対するドイツとスラヴの考え方の差異 イディシュ語はドイツ語に近いので差別が生じる。 「ことばは近ければ近いほど差…

七、純粋言語と雑種言語

純粋言語は虚構⇔雑種言語は寄せ集め 言葉は他の言語に近ければちかいほど、もうひとつの言語に近ければ近いほど、さげすまされる。 あることばがさげすまれるのは、それより上位に立つとされる国語や標準語に依存しているので、中心や標準価値からはずされて…

六、国語愛と外来語

言語ごとの国家の成立という政治史 俗語で書かれる文学、俗語のために書かれる文法、俗語に特権を与える法律 国家語として維持されるかどうかは、話しての母語に対する忠誠度に懸かっている。 日本語のように自分の言葉をことさらに褒めるのは劣等意識とその…

五、母語から国家語へ

国語とは陸海軍を備えた方言である―マックス・ワインラヒ 日本語の場合 「国語」「国家語」 明治の初期においては「日本語」の方が月並みで、「国語」はその時代の新語であった・ 柳田国男「国語という言葉は、それ自身新しい漢語である。是に当たる語は、古…

四、フランス革命と言語

フランス革命は「母語」を最終的に「国家語」に仕立てた。革命以前にも、その動きはあった。 俗語がラテン語を押しのけて、国家的規模で使われるようになり、その独占的地位を獲得していく過程は、決してひとりでにほうっておいて進んでいったのではない。国…

三、俗語が文法を所有する

書き言葉=聖なる技術 母語によらない書き言葉の術は、知識と情報の階級的独占が必要なところではいつでも頑固に保持された。 慣れや有用性の観点からではなく、文字術の秘儀性 文法のイデオロギー 文法を生み出して国内および国外の支配地域の諸族に使わせ…

田中克彦『ことばと国家』(岩波新書)の感想まとめ

「一つのことば」とは何か 母語の発見 俗語が文法を所有する フランス革命と言語 母語から国家語へ 国語愛と外来語 純粋言語と雑種言語 国家をこえるイディシュ語 ピジン語・クレオール語の挑戦

田中克彦『ことばと国家』(岩波新書)の感想

三、俗語が文法を所有する 書き言葉=聖なる技術 母語によらない書き言葉の術は、知識と情報の階級的独占が必要なところではいつでも頑固に保持された。 慣れや有用性の観点からではなく、文字術の秘儀性 文法のイデオロギー 文法を生み出して国内および国外…