ゴールデンカムイ樺太編

ゴールデンカムイ樺太編(12)「樺太でやっと再会できたのに心は離れたままエンド」の感想・レビュー

キロランケの死によりアシㇼパさんがアイヌを背負う意識を持ったため杉元とすれ違ってしまう話。 樺太の旅は暗号解読の鍵を思い出せるためだけではなく少数民族の生活を見せるためでもあった。 近代化の波に押され消滅していく北方文化を見たアシㇼパさんは…

ゴールデンカムイ樺太編(11)「尾形回②イノセントを嫌悪する尾形」の感想・レビュー

金塊争奪戦の中で金塊に興味のない尾形の行動原理の一端が少し解明される話。 尾形は私生児として父親に認知されず、母からの愛情も受けられずに育ってしまった。 軍に入隊後、嫡子の異母弟が無邪気に尾形を慕うが、彼こそがイノセントの象徴だった。 それを…

ゴールデンカムイ樺太編(10)「少数民族による極東連邦国家」の感想・レビュー

女囚人ソフィアを脱獄させウイルクの過去を聞くことでアシㇼパが暗号の鍵を思い出す話。 ウイルクは幼少の頃より冷徹で合理的な機能美を持つオオカミにコダワリと憧れを持っていた。 日本に渡り現地で娶ったアイヌの嫁からオオカミに追いつくというアイヌ名…

ゴールデンカムイ樺太編(9)「日本軍ロシアスパイ×ナロードニキ運動×極東パルチザン」の感想・レビュー

今回は女囚ソフィアと鶴見中尉の過去を同時に回収した話。 鶴見中尉は若かりし頃、ウラジオストクで写真屋に偽装しながら諜報活動を行っていた。 一方のソフィアはナロードニキ運動に失敗しテロリズムに走った貴族身分だった。 そして極東パルチザンのウイル…

ゴールデンカムイ樺太編(8)「蝦夷共和国再興編」の感想・レビュー

ロシアの南下に対抗すべく北海道を他民族国家の緩衝国として独立させようとする話。 後の世で蝦夷共和国と同じ役割を担うことになるのが満洲国であった。東亜アウタルキー。 自らに信念があるかどうかというジジイたちの違いが克明になった場面が見どころで…

ゴールデンカムイ樺太編(7)「ロシア人女性の年齢加算による体型の変化について」の感想・レビュー

少数民族独立運動の指導者に仕立てあげられるアシㇼパさんが囚人ソフィアに興味を示す話。 このソフィアこそがウイルクやキロランケらテロ集団のボスだったのです。 一方悪天候に見舞われた樺太先遣隊は灯台守のお陰で命拾いすることになります。 せめてもの…

ゴールデンカムイ樺太編(6)「尾形回:異母弟殺し編」の感想・レビュー

発熱した尾形がウィルタ民族の霊媒師の治療により過去の因果を想起する話。 尾形は満鉄反対派である花沢幸次郎の私生児であり嫡男誕生後は棄て置かれていた。 だがしかし日露戦争に従軍すると、異母弟が無邪気に尾形を慕ってくる。 旗手である異母弟は父の命…

ゴールデンカムイ樺太編(5)「樺太には3つの少数民族が生活している」の感想・レビュー

アシㇼパさんを少数民族の独立運動の指導者に育てるシリーズ。 主権国民国家体制に呑み込まれて消滅していく文化を目の当たりにしていく。 ウィルタの天葬が改宗により土葬に変えられていく衝撃がアシㇼパさんを襲う。 こうしてアシㇼパさんは少数民族の生き…

ゴールデンカムイ樺太編(4)「豊原は樺太における政治、経済、文化の中心」の感想・レビュー

アシㇼパさんに杉元生存を知らせるべくサーカス団の一員として出し物をする話。 不死身の杉元腹切りショーが新聞報道されればきっとアシㇼパさんの目につくハズ。 そう考えた杉元は樺太先遣隊を巻き込み曲芸の練習に精を出すことになる。 結果としてアシㇼパ…

ゴールデンカムイ樺太編(3)「満洲が日本である限りお前たちの骨は日本の土に眠っているのだ」の感想・レビュー

鶴見中尉が自分の腹心を作り上げていくシリーズ。今回は月島軍曹回。 「優しい嘘」(甘い嘘)でたらしこみ命を投げ出すことも厭わない部下を作り上げていく。 月島軍曹は「優しい嘘」に気付きながらも鶴見中尉に縋ることしかできない。 生きる意味を喪失した月…

ゴールデンカムイ樺太編(2)「許してやりなさい。頑張ってるじゃないですか。そんなにボロボロになるまで」の感想・レビュー

杉元が無意識に内包する「役立たず」であるという自罰意識を岩息が救済する話。 暴力による自己表現を尊ぶ岩息だからこそ暴力でしか自罰意識を表現できない杉元を救える。 氷が割れて冷水に落ちバーサク状態から解除されるオチとなるが杉元は確かに救われた…

ゴールデンカムイ樺太編(1)「大泊は樺太の玄関口」の感想・レビュー

北海道アイヌの少女を北方少数民族独立闘争の旗手とするため樺太に渡ったパルチザンの話。 元日本兵の杉元は鶴見中尉一派に下り、樺太先遣隊としてアイヌの少女アシㇼパを追跡する。 当初は半信半疑であった杉元だが聞き込みの結果アシㇼパが樺太へ渡ったこ…