世界史教育

IBDP「歴史」教師用参考資料におけるコースの組み立て方

出典:http://www.ibo.org/globalassets/publications/history-tsm-2017-jp.pdf 知識の網羅ではなく主要概念の取得 「歴史」で重点が置かれる6つの重要概念(原因、結果、連続性、変化、重要性、観点)は、授業で扱うことのできるすべてのトピックをつなぐ…

IBDP「歴史」の三要素(内容・概念・スキル)とそのなかの一つの「概念」の詳細

出典:http://www.ibo.org/globalassets/publications/history-guide-2017-jp.pdf IBDP「歴史」の三要素とはなにか IBDP「歴史」は内容、概念、スキルという3つの主要素に基づいて構成されています。これら3つの要素は不可分な関係にあると考えられていま…

IBDP「歴史」とはどのようなものか?

出典:http://www.ibo.org/globalassets/publications/history-guide-2017-jp.pdf IBDPの特徴 ディプロマプログラムの履修方法 通常3科目(最大4科目)→上級 レベル(HL) その他を→標準レベル(SL) 批判的な思考と分析を重視 5つの「学習の方法」 …

高校世界史の授業・研究課題〜書き殴りブレーンストーミング〜

やってる取り組み・やりたい取り組みなど 目的達成学習×主題学習 1つの授業を1テーマで行う授業スタイル。最初に授業の目的を提示し、それを解き明かしていく。起承転結。その中で歴史の知識を増やしていく。教科書をダラダラと説明するより一つの授業にメリ…

2015年度使用高校教科書採択状況 地歴編

文科省が2015年度に使用する高校教科書の採択状況をまとめたことが記されていたのでメモ。 (2014年9月中旬までに都道府県教委から報告された生徒用・教師用の必要見込数を集計したもの) 参考文献 「内外教育」(時事通信社 2015年01月23日 第6389号) http://w…

第2回実践世界史教育研究会(東京書籍主催)

堀内隆行「イギリス帝国と人種・エスニシティ」 要旨:イギリス帝国植民地における被支配者階級の様子 包摂と排除の原理 当初イギリス帝国の白人は植民地における先住民に対して文明化政策を採った。代表例として挙げられるのが、オーストラリアのアボリジニ…

早大・慶大入試問題分析報告会(世界史) in 河合塾新宿校 まとめ

講師:沼田英之(河合塾) 内容…早大・慶大各学部における「世界史」の入試問題の分析 分析報告会では、各学部の出題の特徴をひとつずつ見ていったが、ここでは総括をまとめておく。 総括 〜早稲田・慶応の世界史で求められている力は何か〜 早大・慶大は基礎…

駿台予備学校「大学入試センター試験対策研究会 世界史分科会」講演メモ

2012年6月18日、駿台予備校御茶の水校で開かれた教員向けセンター講座のメモです。 講師は天谷進さん。理系のセンター世界史で12人の浪人生を指導している人気講師(?)とのことでした。 内容は、前半が2012年度センター世界史Bの分析、後半がセンター対策指…

第1節 タバコからみる日本史と世界史のつながり

日本におけるタバコ栽培の広がり 日本でタバコの喫煙が行われたのが16世紀であり、栽培が広まっていったのは17世紀からである。その急速な広まりにはタバコそのものの魅力もあったが、当時の社会背景と密接に関わってきている。そのため、どうして日本でタバ…

タバコの歴史

はじめに 主題学習「世界史への扉」でなぜタバコを扱うのか 現代において外食産業を扱う店に行くと必ずといっていいほど、喫煙の有無を聞かれる。また高校生らは、学校教育における保健指導で毎年ニコチンの害や受動喫煙についての啓発を受けている。また、…

「世界史A」教科書分析 各出版社分析

これまでの学習指導要領における「世界史A」の主題学習の特徴を考察すると、主題学習は「興味・関心」を高める主題学習と、「課題追究・課題探究的な学習」としての主題学習の二つに分類することができる。よってここでは、「世界史A」の教科書記述におけ…

「世界史A」教科書分析 学習指導要領編

1.学習指導要領における「世界史A」の特徴 平成11年版以前の「世界史A」 昭和35(1960)年版「世界史A」 学習指導要領において「世界史A」が一番最初に登場したのは、昭和35(1960)年版学習指導要領においてであった。この「世界史A」は内容構成において「世界…

平成23年度使用教科書

http://www.textbook.mext.go.jp/shuisho/index.htm

授業開発用メモ:たばこ関連

サイニィで適当に検索したもの ドイツ 「三月革命」 期における産業別労働者の全国組織結成の試み : タバコ製造工の場合 http://ci.nii.ac.jp/naid/110001074324 インドネシアの賃金問題--繊維,タバコ産業を中心として(海外労働事情) http://ci.nii.ac.jp/na…

世界史主題学習 1999-2009年の先行研究の分析

主題学習の先行研究を調べると、その殆どが学習指導要領の変遷の概説とその解説に基づく実践報告の提示であり、その他のものも結局は学習指導要領に基づく内容構成論・授業計画論、教科書分析、外国(主に米独)の学習論の輸入である。(http://d.hatena.ne.j…

原田智仁「主題学習再考 ―世界史学習論の批判と創造(2)―」社会系教科教育学会『社会系教科教育学研究』第12号 2000(pp.1-8)

1 問題の所在 問題意識と問題設定 主題学習は1999年版学習指導要領で充実。だが主題学習は1960年版の登場以来70年前後が現場の研究と実践の頂点であり形骸化が進んでいた。 ではなぜ今主題学習か?、その背景は?、60年版のものと同じか?、同じならどのよ…

石井寛治「戦後歴史学と世界史 ―基本法則論から世界システム論へ―」歴史学研究会編『戦後歴史学再考』青木書店 2000年 29-71頁

はじめに 本稿の目的 「戦後歴史学」において「世界史」がどのように扱われてきたかを跡付ける 現時点において「世界史」の把握の仕方を歴史家としてどのように考えるべきかを述べる 本稿における「戦後歴史学」の定義 戦後民主主義の精神に立って歴史を研究…

授業開発用やっつけ作成メモ

序論 問題意識・問題設定 第1章 世界史教育の問題点 第1節 世界史教育の内容 *単一の世界史像としての教科書 *受験科目としての内容 *内容構成原理の変容についての無関心 第2節 世界史教育の方法 *講義形式 *羅列的な知識の暗記学習 *歴史的思考力・…

主題学習「日常生活にみる世界の歴史 〜コンニャクの世界史〜」授業構想案メモ

「コンニャクの世界史」(単元:世界史への扉 日常生活にみる世界の歴史) 目標 「日常生活にみる世界の歴史について、コンニャクを取り上げて、その変遷を考察し、日常生活からも世界の歴史がとらえられることに気付く」 評価規準 関心意欲態度 積極的に調…

世界史に使えそうなコンニャクに関するメモ

農林水産省/平成20年産こんにゃくいもの栽培・収穫面積及び収穫量(主産県)(修正版) http://mayanagi.hum.ibaraki.ac.jp/students/01/01komatsu.html(茨城大学人文学部中国科学史真柳研究室) 現代世界とコンニャク WTO農業交渉とこんにゃく産業(PDF) http…

平成21(2009)年版学習指導要領;文部科学省『高等学校学習指導要領解説 地理歴史編』における世界史主題学習の叙述の特徴

対象とする高等学校学習指導要領解説 http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2009/12/28/1282000_3.pdf 平成21年版解説における主題学習の要点 平成11年版の解説において充実を図ったと強調されていた世界史…

世界史教育に対するこれまでの問題意識の変化

単一な世界史像への妄信 「国語」とは何か? 国語は日本語ではない。国語教育は日本語教育でもない。学部時代に、国語の多様性と矛盾を経験した。国語の学力観としては二つの潮流があった。一つは読解力リテラシー、つまりは論理的・批判的思考、メディアの…

鳥越泰彦「世界史未履修問題を考える」『学術の動向』2008.10

1. はじめに 受験教育と地理歴史教育の問題 2006年秋「世界史未履修問題」の発生 →履修漏れは全高校のたった一割 →どの程度履修漏れしたかではなく、何を意味するのか検討することが大事 「世界史未履修」の学校の大半は進学校、生徒の「受験に関係ない科目…

上原専禄『日本国民の世界史』岩波書店 1960年

まえがき 本書の目的 われわれ日本国民が明日への生活をどう生きるかという問題に面して、日々の行動を支える生活意識を確立したいという願いにもとづいて、世界史像の形成を試みた 国民の課題として生活意識・歴史意識の確立と深化がある 学校教科書として…

鳥越泰彦「世界史教育の何が問題なのか?」青山学院大学教育学会紀要「教育研究」第49号 2005 49-61頁

1.はじめに 本稿の目的 日本における高校世界史教育の現状とその問題点を整理する 本稿の手段 世界史教育の内容と方法を分けた上で、さらにそれぞれの現状と課題について分析を加える。 世界史教育の内容と方法とが必ずしも分かれないが、それでもなおこのよ…

樺山紘一・木下康彦・遠藤紳一郎編『世界史へ 新しい歴史像をもとめて』山川出版 1998年

本書の構成は、Ⅰ章で世界史というものを構成する方法論が述べられており、Ⅱ章で学校教育において世界史教育がどう展開されてきたかが分析されている。そして、Ⅲ章では世界史をどのように教えたらよいかについて新しい視点・素材・方法が提示されており、Ⅳ章…

「高校世界史の学力をどのようにとらえるか」という雑談をしたので思いついたことを書きなぐっとく

高校世界史の学力はどのようにとらえることができるだろうか。 学校現場で学力をとらえる際には観点別学習状況の評価規準というものが存在する。 すなわち「思考・判断」「知識・理解」「技能・表現」「関心・意欲・態度」の4観点である。 ここでは、「思考…

南塚信吾「世界史は動いている」歴史学研究 第850号 30-39頁

Ⅰ 世界的な「世界史」を求める動き アメリカ WHA(1982年結成) アメリカにおける世界史学会。中等・高等教育の場でナショナル・ヒストリーやリージョナル・ヒストリーから、クロス・カルチャー的、比較史的、そしてグローバルな歴史の見方が求められたことを…

豊島宏「歴史教育論攷 ― 歴史教育における「主題学習」について ―」松山大学論集 第15巻 第1号  69-127頁

Ⅰ はじめに この論考のねらい;「今回の(平成11年)改訂での充実した「主題学習」を歴史教育の目標達成の要として位置づけ、歴史教育の本質を希求する現場の教師としてこれを定着させることを切望して研究の一端を提示する」 今回の指導要領の改訂で「主題学…

鈴木亮『日本からの世界史』大月書店 1994年

第一章 世界をどうみてきたか 日本人の世界観としては入欧脱亜、興亜対欧、それらに対するもう一つのものがある。入欧脱亜の思想についていえば、日本では世界といえば西洋のこととなる。世界は大国・強国だけを意味し、小国は眼中にない。世界=外国=西洋…