講義メモ

中二病キャラで学ぶフロイトの防衛機制「同一視」

『小さな彼女の小夜曲』の花梨シナリオは「中二病徒の乱」。 シナリオの内容は「中二病である自分を受け入れることが出来るかどうか」というおはなしです。 ここで出て来る症例は、フロイトの防衛機制の「同一視」のタイプです。 『中二病でも恋したい』が流…

センター国語2013はこんな感じ

詳しい解説は大手予備校のサイトをみましょう。 と、言ったら、生徒がかいつまんで教えてくれと言ってきたので個人的メモです。 大体こんな感じという要約を掴みたい人向け。 評論…小林秀雄「鍔」 はいはい小林秀雄。国語便覧にばっちり小林秀雄が評論でよく…

「反動形成」と「ツンデレ」の相違

倫理の講義で、フロイトの防衛機制の「反動形成」を教えたときのことです。 「反動形成」の例を挙げよと発問したら「ツンデレ」と答えた生徒がいました。しかしながら反動形成は「好ましくない欲求や感情を抑える」ために反対の行動を誇張することです。よっ…

2012年実施センター国語の出題内容の大まかな内容

「センター国語は相も変わらず四つの大問で構成されていて、それぞれ評論・小説・古文・漢文となっている」 豚「そんなことは知ってるブヒ。内容を教えれ」 評論:木村敏「境界としての自己」 「評論は木村敏の「境界としての自己」が出典。扱うテーマは、人…

岡本健「らき☆すた聖地「鷲宮」巡礼と情報化社会」神田孝治編『観光の空間―視点とアプローチ―』ナカニシヤ出版 2009年 133-144頁

ツーリズムのインターネット活用として、アニメ聖地巡礼から情報化社会における旅行者行動の特徴について書かれている。 論文の要旨 アニメ聖地巡礼とは アニメ作品の舞台となった場所や関連箇所を、「聖地」として尋ねる行為であり、そうした巡礼を行うのを…

茶から見る近代西洋資本主義に組み込まれる東アジア

1)茶と現代世界の問題 中国の経済発展を誇る写真とウイグル暴動の写真を見せながら、「現在、中国は経済発展著しく、北京五輪・上海万博などで国家的威信を取り戻しつつある。その一方で、民族問題・経済格差・政治上の自由など問題が噴出している。どうし…

砂糖から見る近代西洋資本主義に組み込まれる大西洋世界

1)砂糖と現代世界の問題 現在、環境問題の影響により代替エネルギーが話題になっていることを告げ、バイオ燃料が着目されていることを紹介し、「どのような植物からバイオ燃料が作られていると思いますか」と推測させる サトウキビエタノールを取り出し、…

NHKスペシャル「マネー資本主義 第4回ウォール街の“モンスター”金融工学はなぜ暴走したのか」

金融派生商品や証券化についてもうちょい詳しく説明して欲しかった。 サブプライム・ローンという「時限爆弾」を抱えた金融商品が、なぜ大量に生み出され、世界を熱狂させていったのか。今回の金融危機の陰には、金融工学という「科学的なリスク・コントロー…

NHKスペシャル シリーズ JAPANデビュー「軍事同盟 国家の戦略」の感想

軍事同盟のおはなし。 日英同盟と日独伊三国軍事同盟について特集。 そこから日米同盟について考える。 日本が近代世界に組み込まれておよそ150年。世界市場において中核となるか半周辺となるか周辺となるか。近代国民国家を日本は目指すことになる。つまり…

NHKスペシャル マネー資本主義 第3回「年金マネーの“熱狂”はなぜ起きたのか」の感想

なぜ年金がヘッジファンドと結びついたか。 高齢化と低成長により給付が掛け金を超えそうになり破綻しかけたのがその原因。 高い利回りを求めてヘッジファンドに走ったというおはなし。年金は本来安心な運用をすることがモットーとされていた。そんな資産運…

インドの衝撃 第二回「世界最大の選挙戦 貧困層が国を動かす」 の感想

カースト最下層ダリッドを取り込みインド総選挙に打って出たマヤワティ率いるインド大衆社会党のおはなし。 結局は、ガンディー家の影響力が強いインド国民会議派が勝利したのだが、貧困層の票の取り組みが争点となる。 貧困層を取りこむため、農村への社会…

森暢平「島宇宙を漂流する「象徴」」 世界 第792号 167-175頁 2009年

この文章の趣旨 象徴天皇制の終焉と終焉後の変容した姿を考える。 天皇というシステムとこの国に生きる人たちとの劇的な変化を明らかにする。 『女皇の帝国―内親王那子様の聖戦』の世界 皇族を萠えキャラとして認識(ex.眞子さま;「ひれ伏せ平民どもっ!」…

NHKスペシャル 「沸騰都市のそれから」の感想

アメリカ金融恐慌により煽りを受けたドバイ・ロンドン・イスタンブル・ダッカの諸都市を追う。 外国資本の流入により発展してきた諸都市は資本が逃げた後に何が残るのか!? バブルの栄光、現在の現況、生き残る未来を探る。 NHKスペシャル アラブ首長国連邦…

中等教育における地域調査

今日は地理学の研究室の人々に混じって丸々一日巡検に行ってきました(当初は地質調査の穴掘りだったけど許可が下りなくて巡検になったそうな)。新しい学習指導要領では地理で「地域調査」が重要視されてくるしね。ここでは学習指導要領でどのように記述され…

BS特集シリーズ 中国・庶民の改革開放30年「第5回 リストラの嵐を生きて〜国有企業の町 瀋陽〜」の感想メモ

改革開放後の中国において市場経済に適応できなかった国有企業を描く。改革開放により生産請負制。独立採算制が導入され、競争原理に晒されることとなった国有企業。当初は個人の努力が評価されるため、労働者たちはにわかに浮き足立った。しかし、天安門事…

BS特集 シリーズ 中国・庶民の改革開放30年 第4回「青春の果てに〜広州〜 」の感想・レビュー

改革開放下による中国の若者下位文化を描いた。文化侵略・文化帝国主義。アジアの若者は欧米に対する無意識的な崇拝の念があり、西欧のものは全て魅力的に映るものであった。改革開放化では享楽的な雰囲気が広まり、資本蓄積の論理のもとで、若者下位文化が…

BS特集 シリーズ 中国・庶民の改革開放30年 第2回「取り残される農民たち〜革命の聖地 延安〜」の感想メモ

中国の農村経営の杜撰さを描く。 かつては人民公社により農村経営が行われていたが、改革開放の波で農地請負制(生産責任制)になった。余剰農産物の販売が可能になったが、様々な問題は露出した。なかでも、当局の政策がコロコロと変わり役人の腐敗と汚職に…

クローズアップ現代 教育に穴が空く 〜“非正規”教員 依存のひずみ〜

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2008/0811-2.html#thu 地方における非正規教員の酷使はすさまじいものがある。 少子化と予算削減による正規採用の減少と少人数学級やチーム・ティーチングの重視による非正規雇用の重視。 教員試験に受からない若手と定年…

NHKスペシャルの感想

食糧危機はグローバル化と金融商品化によるマネーの暴走の結果。 1)農産物のグローバル化 戦後のアメリカでは、農業生産の向上により農産物がだぶつき価格が下落。貿易赤字の煽りもあり、貿易自由化によって農産物を輸出して捌こうとした。アメリカの農産物…

閣下と学ぶ帝国主義原因論 第4話「ウォーラーステインの世界システム論」

前回までのあらすじ IM@S架空戦記に触発されて帝国主義原因論について調べています。 これまで古典的帝国主義・独占資本主義以外での側面・新マルクス主義帝国主義を見てきました。 今回はウォーラーステインの世界システム論における帝国主義の位置づけを見…

閣下と学ぶ帝国主義原因論 第2話「独占資本主義以外での側面」

前回までのあらすじ im@s架空戦記シリーズ『春閣下で世界征服』を見ていたら帝国主義について疑問を抱いた閣下たち。 帝国主義を原因論からアプローチしていくことになり、第1話では経済的な側面を見ました。 今回は「独占資本主義以外の側面」を見ていくこ…

国語教育における文学的文章の「主題」とセンター試験

国語なんてつまんないの。どう解いていいかわかんないし。 特に小説なんてそうじゃない? 学校の授業では「多様な読み」とかなんとか言っちゃってさ。 小説は個々でそれぞれが「主題」を見つければOKとかなんとか教えてるのに。 センター試験の「小説」なん…

春閣下の「クルセイドマスター」で学ぶ十字軍遠征

種類が増えまくってきている大人気のIM@S架空戦記シリーズ。 架空戦記シリーズ - The iDOL M@STER ニコニコ動画まとめWiki - アットウィキ 歴史モノを見ていると、教育学部脳にすっかり犯されてしまった私は、何とか教材化できないものかと思ってしまうので…

高校公民指導法2日目「公民に内包される道徳性」と中二病

高校には「道徳」という授業がありません。 では、どこでモラルや規範を扱うのかといえば「公民」です。 そもそも、戦後においては「公民」の中に道徳指導が内包されていました。 しかし、教育史を見れば分かるよう次第に系統主義に陥るようになってしまいま…

東京大学准教授がラノベ『狼と香辛料』を「商業」を扱う小説と高評価!!

アニメ化も決定したライトノベル『狼と香辛料』。 この作品は既に一年以上前に東京大学の佐藤俊樹准教授(比較社会学)が目をつけておりました。その書評は論座(2007.1)の「2006年 私が選んだこの3冊」で読むことができます。 佐藤俊樹―東京大学研究者紹介 佐…

アイマスで学ぶ「修学費無償説と授業料無償説」(教育基本法第五条4項関連)

近年給食費を払わない親が増えて久しいですが、彼らは払わないんだか、払えないんだか良く分かりません。 現職の教員の話を聞くと、昔は給食費を払えないだけでも、子供は気まずい思いをしたから、親は人の給食費を盗むように指示したのが問題になったとか。…