tourism

ヘリテージツーリズムとその周辺

ヘリテージツーリズムを核とすることで周辺事項を横断的に結びつけることができる。 研究が蛸壺化しやすいなかで、各学問の成果を総合し、現実社会に役に立てることが出来る。 逆に言えば、ヘリテージツーリズムをやるには周辺領域の知識が必要であるともい…

Heritage tourism(012)【巡検】「札幌駅周辺においてアイヌ文化に触れられる場所&アイヌグッズ購入可能場所」

札幌駅周辺でアイヌ文化に触れられる場所はあるが、その場所が市民や観光客に認知され、有効に機能しているかと言われればそうではない。で、あるならば、どうすれば有効活用できるか?という問題。 問題の所在 札幌駅におけるアイヌ文化 今回の課題は、「札…

Heritage tourism(Extra003) 札幌市琴似「ヘリテージ&コンテンツ」ツーリズム

アイヌのハッサムコタン、入植と屯田兵村、近代工業(缶詰工場)、京アニ版『Kanon』の美坂栞ルートを題材にしたツアーコースです。 コース(JR琴似駅から地下鉄東西線琴似駅までのウォーキング) JR琴似駅→日本食品製造合資会社旧工場→八軒会館→琴似本通り→桑園…

Heritage tourism(Extra002)「コンテンツツーリズム 札幌琴似編(Kanon栞√と屯田兵村)」

※作成中 前回までのあらすじ 演習の課題で、札幌農学校関連遺産~札幌市街地エリアのツアーを作成したが、類例が散見されるルートだったので作り直すことになった。それ故、今度は、琴似屯田兵村→円山→伏見稲荷神社→藻岩山でルートを組んだ。今回はそのうち…

Heritage tourism(Extra001)残骸!ヘリテージツーリズム論演習の課題作成で没ネタとなったもの。

「札幌市内でアイヌ文化・歴史・地名等を体感できるツアーコース」を作ることが最終課題として与えられている。私はコンテンツ―リズムとヘリテージツーリズムと教科教育の融合を目指し、下記のコースを想定していたのだが・・・。参考文献を呼んでいたら、も…

秋本弘章「『聖地巡礼』と地理教育 〜「あの花」を事例に〜」『地理月報』549号、二宮書店、2017年、10-13頁

概要 『地理総合』が開始されるにあたり、地理教育の新しい方向性が「聖地巡礼」(アニメツーリズム)と一致していることを指摘する文章 以下参考になった箇所 聖地巡礼と学校教育 「これまでの観光地化は行政や地元の業者等が観光産業の興隆を目指して作り上…

Heritage tourism(010)-(011)【巡検】「ヘリテージツーリズムにおけるチャシ群の活用」

目次 0.問題の所在 天神山チャシ跡を踏査して 1.そもそもチャシとは何か? 2.チャシ群を活用した観光開発の現況~「根室半島チャシ群跡」~ 2-①ブランド化と価値付け 2-②歴史的価値付け 2-②-A)オホーツク文化 2-②-B)アイヌ蜂起史 2-②-C)日露関係史 2-③いわゆ…

『天体のメソッド』観戦記(全13話の感想・レビュー)

札幌市内及び洞爺湖が重要なモチーフの作品なので、コンテンツツーリズム論演習で扱うため視聴。 2014年秋アニメで、ネットでは否定的評価が散見されますが友情をテーマにしたシリアス作品です。 道庁赤煉瓦庁舎が校舎として出てきますが、赤煉瓦庁舎は令和…

【草稿】満洲国の観光 第2章「観光から見る満洲国新京」

【レジュメ】「新京において旅行者はどのような行動を取り、それを通してどのような心象を抱いたか」 目次 1.序論 (1)問題の所在 (2)リサーチクエスチョン 2.本論 (1)日本人が建設した都市 (2)植民地都市としての性格 (3)新京支配の象徴 支配装置としての関…

埼玉県秩父アニメ『あの花』を題材にした地理教科書!~二宮書店の『基本地理A』におけるコンテンツツーリズムと教科教育の融合~

二宮書店の『基本地理A』(2016年3月18日検定合格)に掲載されている「アニメを通して地図を読もう」(170~171頁)という題材が話題になっている。作品としては埼玉県秩父市を舞台とした『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』が取り上げられており、GIS…

【資料・先行研究】旧日本帝国植民地遺産観光~満洲国 国都新京編~

先行研究リスト 高媛「記憶産業としてのツーリズム 戦後における日本人の「満洲」観光」『現代思想』29(4)、青土社、2001年、219-229頁 高媛「「帝国後」と満洲観光」(高媛『観光の政治学 : 戦前・戦後における日本人の「満洲」観光 』東京大学、2005年、博…

Heritage tourism(009)【体験型講座】「先住民族の文化の伝え方~ポジティブアイヌのモノづくり活用編~」

ヘリテージツーリズム論演習では、「先住民族の歴史・文化・現在に関するアクセス手段としてのツーリズム」を学習しているわけだが、何よりも先住民族の方々の想いが重要だということで、アイヌの方々のワークショップに参加した。 目次 ポジティブアイヌ ペ…

Heritage tourism(008)【巡検】「円山の聖地三重構造に見る植民地都市としての札幌」

今回の授業は「円山公園の巡検」。先住民(アイヌ)、本国政府(明治政府)、入植者(民衆)が「円山」という地域をそれぞれ「聖地」と見なしていることを、実地で体験した。巡検では「円山」という観光資源から、「北海道開拓が近代日本の国民国家形成と帝国的膨…

Contents tourism「静岡県沼津市の事例」の紹介記事

個人的にはアニメのイラストが日常生活の場に掲げられていると何だか恥ずかしくなってしまう。 概要 アニメファンが作品の舞台しか訪問しないことを懸念した地域住民が、アニメを利用した地域振興策に取り組むことによって、作品に登場していない周辺地域に…

Heritage tourism(007)【巡検】「キャンパス・エコミュージアム構想」

大学構内をエコミュージアム*1と考えた時のディスカバリー・トレイルの一事例を体験した。 目次 1.講義概要 2.課題「3種類のトレイルのセクショナリズムとパネル問題」 2-(1).各トレイルの展示パネルの体系的な把握が出来ていない。 2-(2).公式情報へのア…

Heritage tourism(006)【巡検】「サクシュコトニ川の源流と農学校関連遺産群」

今回の講義はキャンパス南部周辺の巡検であり、サクシュコトニ川の源流と農学校関連遺産群を中心に回った。ここでは時系列順に各地で発見したこと等をまとめていく。 1.クエスト「サクシュコトニ川の源流と北大中央ローンの間の河川跡を探せ!」 (1)コンテン…

Heritage tourism(005)【巡検】「植物園における動植物の文化的意味」

本日のヘリテージツーリズム論演習は植物園のフィールドワークでした。 課題は植物園における動植物がどのような文化的意味を持つかを考察すること。 (あと植物園内における竪穴住居跡を見つけること) 単純に自然遺産として考えるのではなく文化的文脈に位置…

Heritage tourism(004)【講演】「Indigenous tourismを扱う際の問題点」

文化遺産を観光資源にするヘリテージツーリズム。 近年の北海道の場合、アイヌ民族を観光対象とする政策を展開しています。 →https://ainu-upopoy.jp/ つまりは先住民族観光「Indigenous tourism」と切っても切り離せないのです。 以上の理由により、今回は…

Heritage tourism(003)【講義】「Indigenous tourismの考え方」

ツーリズムは単なる観光資源の消費ではなく「文化的交流」。文化遺産を価値づけし、その重要性と保護の必要性をコミュニティ並びにビジター双方に理解してもらう。ツーリズムを通して、社会的・財政的・政治的な支持を得ていく。 導入 一般のアイヌの方 「庶…

Heritage tourism(002)【巡検】「遺跡保存庭園とモデルバーン」

フィールドワークレポート 1.無主地問題について 1-1.土地奪取の記憶 1-1-1.説明版を考え直す(奪取後の歴史の書き換え) 遺跡保存庭園の案内板では、竪穴住居が奈良時代末~平安時代にかけて作られたと記されている。しかし、この竪穴住居で暮らしたのは和人…

コンテンツの賞味期限とコンテンツの換骨奪胎と新しいコンテンツの創出(桜ヶ池レベルアップクエストNo.04「FIRE FESTIVAL」)

コンテンツは地域振興のとっかかりに過ぎない。コンテンツは終わる。賞味期限が早い。 一時的な大量の消費者の動員はイナゴのようなものであり食い尽くされて何も残らない。 それ故、地域振興ではコンテンツを換骨奪胎し、変容したコンテンツが生み出される…

間野山研究学会 第2回「「コンテンツ」×「地域」~地方発・最新の取り組み」

各報告を聞いて、自分の印象に残った事や考えた事項などのまとめ。 目次 報告1「コンテンツビジネスとコンテンツツーリズム~アニメコンテンツを巡る権利者・地域・ファンの幸せな関係とは?~」 報告2「韓国コンテンツツーリズムの現状と課題」 報告3「…

Heritage tourism(001)【講義】「フロンティアとコロニー~先住民族としてのアイヌ~」

蝦夷地は江戸時代後半から帝国主義下における日本とロシアの「無主の地」の取り合いの歴史。 開拓使と侵略史は表裏一体であり、「フロンティア」の語の背景には「無主の地」の発想がある。 和人がアイヌ人を文化遺産として観光資源化する際には、注意が必要…

実地視察「札幌雪祭りにおけるキャラクターIPとしての初音ミク」

コンテンツツーリズムを研究しているのなら地域イベントの実地視察は必須。 と、いうことでキャラクターIPの一事例として、雪ミクを見てきました。 (※ここでのIPとはintellectual propertyで知的財産権のこと) 「雪ミク」という初音ミクから派生したキャラク…

日本人の満洲国認識形成とコンテンツ・コロニアルツーリズム

【概念図】研究の方針とか 満洲国コンテンツの生産 1931年の満洲事変を契機に、翌1932年には満洲国が成立した。傀儡国家でもある満洲国に実態を持たせるため、その正当化が図られ、満洲認識を広めるために日本では様々な満洲国コンテンツが生産された。小説…

Contents Tourism Planning & Management 2018 (014-015)「Case study presentation」

演習の最終回は事例研究発表会。舞台訪問ツアーで扱った作品とプラスαを発表する。 『動物のお医者さん』、『星空のメモリア』、『ゾンビランドサガ』の事例について発表してきた。 ここでは『動物のお医者さん』、『星空のメモリア』についてまとめておく。…

コンテンツ産業×ヘリテージツーリズム×博物館×生涯学習

※書きなぐり版コンテンツ産業を観光資源にして聖地巡礼・舞台訪問を生み出し、歴史(文化財・文化遺産)に繋げて、博物館などの社会教育や生涯学習に活かす取り組みを研究したい。 例 ゾンサガに興味を持つ→聖地巡礼に行く→旧三菱合資会社唐津支店本館(唐津市…

新聞報道に見る『ゾンビランドサガ』 ~作品誕生の経緯と佐賀県振興への貢献~

コンテンツツーリズム論用のメモ 作品誕生の経緯 ゾンビランドサガを産んだ3人 渡辺耕一(「Cygames」代表取締役)×竹中信広(『ゾンビランドサガ』プロデューサー)×近野顕次(佐賀県広報広聴課係長) 「Cygames」の渡辺耕一代表取締役が「佐賀を舞…

『ゾンビランドサガ』作品と舞台地の魅力

コンテンツツーリズム論の課題で書いた文章 (0)はじめに 『ゾンビランドサガ』はゾンビがアイドルになって存在自体が風前の灯である佐賀県を救うテレビアニメーションである。2018年10月~12月にかけて放映された。以下では(1)『ゾンビランドサガ』における…

群馬県においてリンゴ厨系「んごんご」アイドル(山形県出身)が誕生しました。『デレマス』の新たな聖地巡礼先に群馬県の草津温泉が追加されます。

『デレマス』が寄与した聖地巡礼の隆盛 大人気スマホゲーム『アイドルマスターシンデレラガールズ』。二次創作やファンアートが盛んなので、プレイしたことがない人もキャラの絵や動画を見かけたことがあるのではないでしょうか?そんな『デレマス』ですが、…