…また、あの夢を見た。
誰かの血を吸う夢。
夢だって分かっているのに、ひどくリアルな夢。
手には肉を引きちぎる感触が残っていて、鼻にはまだ生臭い血の匂いが残留している
・・・・・・・
翡翠に起こされ水と薬を貰う。
話をしていると、外になど出ていないのに外出したと聞かされる。
俺が外に出て行ってたって?
そんなハズないじゃないか。俺はちゃんとここで音夢っていて、夢だってみてる。
あんな生々しい夢を----------みて、る。
まさか、志貴は夢じゃなくて現実に殺している!?
動揺しながら食堂へ降りる志貴。普段どおりに振舞える自信がない。
1、それでも秋葉に挨拶ぐらいできると思う。
2、……ダメだ、部屋に戻ろう。
いや、逃げてはダメだろ。ここは1、で。
だが、志貴は人を相手に出来る余裕なんてなく・・・
「それにしても今日は上機嫌じゃないか。なにかいいことでもあったのか。それなら先に行けよ。一人じゃ学校に行けないっていうのか秋葉は。やめてくれよな、子供じゃあるまいし。いいかげんそんな歳でもないだろ」と
せっかく志貴と登校したくてウズウズしている秋葉に冷たく言い放ってしまうのでした。
あまりにも秋葉が可愛そうなのでここで琥珀さんがここでネタばらし。
「そもそも秋葉さまは朝の六時にここをでないと学校には間に合わない方だったんです。なのに秋葉さまは無理をして、貴志さんと朝ごはんを食べるのを楽しみにしていたんです。秋葉さまは素直じゃないんです。志貴さんが一度でもちゃんと早起きしてくれたなら秋葉さまも文句なんて言わなかったと思います。なのに秋葉さまは『朝に兄さんの顔を見られればいい』なんて言って、志貴さんを起こすような事はしなかったんです」
・・・・あきはぁぁぁぁぁぁぁ。お前ってやつはなんて、なんて恋する乙女なんだ!!
学校〜朝〜
シエル先輩につかまり詮索される。どうやらシエル先輩は志貴の深夜徘徊のことを知っているようだ・・・
「けど一人でなんとか出来なくなったら、いつでも相談してくださいね。わたしでよかったら力になりますよ」
シエル先輩。一応疑いながらも心配してくれるんですね。流石は埋葬機関
2時限目の授業が終わり、秋葉に謝罪に・・・
1、秋葉の教室に行く
2、いや、下手に会わないほうがいい。
ここは謝りにいっておくのが筋ってもんでしょう。
廊下に出てきた女の子に呼び出しを頼むと
「遠野さーん、お兄さんがきたよー!」
くはっ。こういう言い方されると困るっての
昔姉貴が体育のファイルを校庭に放置していったときに何故か体育教師から呼び止められそれを届けにいったことを思い出しますね。・・・先輩の教室ってどうしてああも怖いのでしょうか?
そんなわけで秋葉に謝罪する志貴。
秋葉は・・・
「べ……べつに許すもなにも、私はそんなコト気にしてなんか---------」
志貴は謝ったとたん恥ずかしくなり逃げ出すのでした。
学校〜昼休み〜
ギクシャクする志貴と秋葉。秋葉にも誘ってくれる友達がいるんだんなぁと感無量。
それとサンドイッチではなくサンドウィッチなんですね。エライこだわりようです。
いちご牛乳を渡そうとする志貴ですが秋葉と指が触れ合うと固まってしまいます・・・
有彦から指摘されてようよう手を離しますが、ドッキドキです。
話を逸らすため世間的な話に振る志貴ですが・・・
ここで余談ですが「世間」のはなし。
昔私が行ってた即死(soon die)予備校でゼミみたいな小さい小論文対策の講座があったんです。そこでね、講師が世間とは何かについて論述してこいって言ったんです。当時、安部謹也っていう人が『「世間」とは何か』っていう講談社現代新書を出したばっかりで有名だったから、それを読んでいてつい調子にのった私は舌打ちをして「どうして「世間」なんですか?」ってすごい表情で聞いていたのです。その時はいきがって得意になっていましたが、講義終了後の電車の中で直ぐに思い返すと凄いダサい好意であることに気づきました。顔から火が出そうでした。それ以来「世間」っていう単語を目にするとその恥ずかしさがフラッシュバックしてきます。昔の私が嫌いです。昔の私を嫌いになれない今の私はもっと嫌いです。過去を受け入れられれば今の私を好きになれますか?マリア様・・・
そんなわけでここでも当時の事がフラッシュバックし、どうしょうもない気持ちなるのでした・・・
・・・閑話休題・・・
それで有彦のする「世間」のはなし
さっちんを葬り終わったと思っていた吸血鬼事件はまだ終わっていなかった。
しかも、遠野家の屋敷の廻りで死体が見つかったことを知らされ愕然とする志貴。
しかし、吸血鬼についての秋葉とシエル先輩の駆け引きは続く
秋葉「『吸血鬼』は自分の行為が悪い事だと微塵も思っていないのでしょう?なら、罪ではないものを罰することは出来ないわ」
シエル「たとえ、吸血鬼さんが殺人を罪と思っていなくても、人間全体にとっては殺人行為ではなくその吸血鬼さんの存在そのものが罪なんです」
それを聞いた志貴は通り魔殺人が気にかかる
1、シエルに昨夜の出来事を相談する
2、……そんな無駄なことはしない
・・・う〜ん。迷うところだよなここは。
秋葉ルートだしね。けど、相談しておいたほうがいいよな?
つーわけで1で。一応、セーブはするけどね・
学校〜シエル先輩に相談〜
「最近の俺、おかしいんだ…原因は判ってる。たぶん、俺は吸血鬼に噛まれたんだ。…それ以来、なんかヘンなんだ。突然自分が自分じゃないみたいになったり、人を殺してしまう夢を見たりする。
昨日なんて、俺は眠っているつもりだったのに外に出歩いていたらしいんだ。…其のとき見ていた夢も人を殺して、血を吸う夢だった。
俺の親父は二重人格だったそうだし、もしかすると俺本人が気づいていないだけで、人殺しの俺がいるのかもしれない。でもそれを確かめることができなくて、俺は--------------」
そんな志貴の贖罪にたいしてマリアの如き埋葬機関第7位のシエル先輩は、不安を包みこむように手を握り、励ましてくれるのでした。
放課後
秋葉と一緒に家路に着くが、シエル先輩に相談するところを見られていた模様
「私達は兄妹なんですから兄さんが落ち込んでいることぐらい感じ取れるわ。
だっていうのに、どうして兄さんは私に相談してくれないんですか。私よりあんな人の方が信頼できるんですか、兄さんは」
とヤキモチぷんすか。シエル先輩は遠野に釣り合わないと志貴に抗議するが、逆に志貴はシエル先輩を非難されて言い返すと・・・
「兄さんだって遠野の事を何もしらないクセに、勝手な事を言わないで---------------!!」と憤慨されてしまいます。
ついには
「あの人と親しくすればするほど、兄さんが苦しくなるだけだわ」
と言って半ベソをかきながら行ってしまうのでした。