ef - a tale of memories. 第8話「clear colour」 の感想

今回のお話は、現実との戦い。
宮子パートでは、宮子が尼から啓示を受け精神崩壊を持ち直す。
千尋パートでは、千尋の記憶障害の一部始終を目撃し蓮治が愕然。

宮子パート


待ち合わせをすっぽかされて痺れをきらせた宮子はヒロの家に襲撃。運悪く行き違いになったてしまった宮子がそこで見せ付けられたのは、景のバスタオル一枚の姿。ヒロが外出中であるにも関わらず、今は行為後であるかのような現実を叩きつけられる。景の世話にかかりきりになったヒロは宮子との会合の場である屋上にも行かなくなる。宮子が必死に屋上のドアを開けようとガタガタやっていたところの演出は宮子の心情があふれ出てくる。



ついに全てを諦めた宮子は震災の爪痕が残る場所で行きたたずむ。前と同じ状況に戻っただけなのにこんなに寂しいのは何故かしら?そこへ尼さんが現れ、「貴女はぬくもりを知っています。優しさに触れた記憶があれば間違った道を選ぶことはありません」との啓示を受ける。導かれるままに公衆電話から無言電話。宮子のことを気にかけていたヒロは数秒後、相手が宮子だと気づく。よっしゃ兄弟よく気づいた。自分がまだ忘れられていないことを知った宮子は、他者との関係性から自己存在を確立しヤンデレから復活か?

千尋パート


前回キスをせがまれ気まずい雰囲気になった蓮治と千尋だったが、何事もなかったかのように小説を書き続ける。何事もなかっただけでなく、さらには記憶が改善されている様子を見せ、蓮治は一縷の望みにすがってはしゃぐ。だがそれは、千尋が様々な部分まで復唱し、記憶が消える13時間前に緻密に思い出しているからだった。記憶が回復したのは見せかけで、鉄の意志と滲むような努力で忘れないようにしていたのだ。



そんな無理は続くはずもなく、精神と肉体はボロボロになり倒れてしまう。蓮治が目撃したのは13時間以上を経た千尋。もちろん蓮治のことなんか覚えているはずもなく・・・さらには事故にあったことも忘れ去っており、肉体が大人であること、眼帯をつけていることなどなど、また一からショックを受けながら立ち直っていくという行為を見せ付けられる。ここで初めて蓮治は千尋の本質を知る。傷つけあわない関係からより深い関係へ踏み込んでしまっていたのだ。それでも蓮治は千尋の支えとなれるのか。