高校公民指導法3日目「大衆煽動とマスメディア」

集中講義も明日でラストの早3日。
3日目は多文化教育、環境教育、平和教育、人権教育を仕込まれました。
そして学習指導案&教材作り。
政治、経済、情報、国際、環境、平和、人権の中から一つ選んで学習指導案を作ります。
私は人気のなかった「情報教育」をチョイスすることになりました。

「情報教育」は学習指導要領上では次のように記載されています。

◆倫理

2内容
(2)現代と倫理
ウ現代の諸課題と倫理
生命、環境、家族・地域社会、情報社会、世界の様々な文化の理解、人類の福祉のそれぞれにおける倫理的課題を、自己の課題とつなげて追求させ、現代に生きる人間としての在り方生き方について自覚を深めさせる。

「情報社会」については、的確に、また主体的に情報を選択・発信することのできる能力やモラルを身につけさせる。


現代社

2内容
(2)現代の社会と人間としての在り方生き方
ア現代の社会生活と青年
大衆化、少子高齢化高度情報化、国際化など現代社会の特質と社会生活の変化について理解させる。また、生涯における青年期の意義と自己形成の課題について考えさせるとともに、自己実現と職業生活、社会参加に触れながら、現代社会における青年の生き方について自覚を深めさせる。

「高度情報化」には、どのようにして情報の主体的な選択や適切な活用を図っていくのかについて考えさせることや、個人情報や知的所有権などに対する情報モラルの確立が必要であることについてきづかせることが必要である。

授業展開

インターネットの発展により、マスゴミやスイーツ(笑)、ブログやSNSが隆盛している現代では、「主体的な情報の選択」を育成することが要請されています。そこで学習指導案では、「主体的な情報の選択」をテーマに授業を構成しました。

授業展開は月並みな広告比較。中学校教育実習の時に書店POPを作るために本文から「情報の選択」を行いましたが、今回はPOP広告から「情報の選択」をやるわけです。広告の比較、分析、作成、発表の活動を通して「マスメディアが情報によって大衆を煽動している」ことを自然と把握できるような授業になったらイイな、という趣旨です。

以下、「広告分析」の授業の大まかな流れ。

  1. 広告というものの構成が、キャッチフレーズ、ボディコピー(解説文)、視覚操作(写真・イラスト・表・グラフ)で成り立っていることを主体的に分析させる。
  2. 広告というものは、消費者の購買意欲を刺激し、購入させるための情報であることに気づかせる。
  3. 広告は(1)理解させる(2)欲しがらせる(3)買わせるの3つを目的としていることに気づかせる。

次の授業では、実際にPOP広告を作るので、ポイントをおさえておくことが重要。
自分で実際に広告を作る際、消費者に購入させるため、一次情報を選択してピックアップ、脚色してキャッチフレーズを作ることになります。この過程で、情報というものが第三者によって選択され歪められたものであることに気づいていくわけです。この力は情報教育だけでなく、国語における批判読み(クリティカルな読み)にも繋がっていく能力を身につけることができるでしょう。