意外と知られていないことですが、現行(平成11年改訂版)の学習指導要領においては、高校の国語という教科は6つの科目で構成されています。( )内は標準単位数。
- 国語表現?(2)
- 国語表現?(2)
- 国語総合(4)
- 現代文(4)
- 古典(4)
- 古典講読(2)
必履修科目は「国語表現?」と「国語総合」で全ての生徒はそのいずれかを選択履修しなければなりません。また現行のものが、従前のものと大きくことなる点は「領域の構成」です。従前のものは「A表現」「B理解」及び〔言語事項〕の2領域1事項の構成でしたが、現行のものは「A話すこと・聞くこと」「B書くこと」「C 読むこと」〔言語事項〕の3領域1事項となっています。これは生徒主体の言語活動を通して行われる、言語教育としての国語の教科の目標を確実に効果的に実現するためだとのこと。
領域構成の変化とともに具体的な言語活動例が示されたのもポイントです。
以下、科目ごとの要点のまとめ。
国語表現?
- 「A話すこと・聞くこと」「B書くこと」の領域で構成され以下の能力を重視。
- 論理的に意見を述べる
- 相手の立場や考えの尊重
- 目的や場面での適切な言語の使い分け
- 国語の表現・特色・語句・語彙と古典の関連
国語表現?
- 国語表現?の内容を高めたもの
- 「A話すこと・聞くこと」「B書くこと」のいずれかに重点をおいて指導できる。
国語総合
- 「A話すこと・聞くこと」「B書くこと」「C 読むこと」〔言語事項〕の3領域1事項で構成。
- 領域Aが15コマ程度、領域Bが30コマ程度
- 領域Cのうち古典と近代以降は同等に扱う。古典のうちの古文と漢文も同等に扱う。
- 〔言語事項〕は以下の事項を取り上げる
- 目的・場に応じた話し方・言葉遣い
- 文や文章の組み立て
- 語句・語彙・表記・漢字
- 文法
- 国語の成り立ち
- 具体的な言語活動の重視
- 情報活用の重視
- 「国語総合」は小中と一貫した基礎・基本の科目
現代文
- 近代以降の文章を読む能力を高める
- 書き手の考え・人物の生き方
- 必要な情報を読み取り、表現する能力
- 教材は、現代の社会生活で必要となる実用的な文章も取り上げる。
古典
- 古文と漢文に親しみ、読む能力を養う(ものの見方、感じ方、考え方、読書態度)
- 古文・漢文、一方に偏らないようにする
- 古典を通して関心をもったことを通しての言語活動を取り入れる。
- 教材は、親しみやすく基本的なもの。古典に親しむことができるようにすること。
古典講読
- 生涯に渡って古典に親しむ。
- 古典に触れる楽しさを重視している。
- 様々な言語活動を通して、古典に親しむ。
- 古文か漢文のどちらか一方を重視しまくってもかまわない。
- 教材は、特定の文章や作品・文種・形態など、まとまりのあるものを中心とする。