true tears  第1話「私…涙、あげちゃったから」の感想

主人公は旧家の嫡男。
様々な古い伝統と後継者としてのしがらみに縛られて抑圧された毎日を送る・・・
跡取りになることを完全に否定せず、それでも積極的に家の仕事を手伝おうとしない宙ぶらりんな毎日。
家と地域共同体のために嫌々送るその人生。
幼馴染:比呂美が、彼女の両親の死ととも家に引き取られるが、決して笑顔を見せなくなり。
好いたおなごが何かに怯えた猫のように暮らしているにもかわらず、何も出来ない無力感。
いつしか彼女への淡い恋心も冷めていき、淡々と接するようになる。そう、裸を見ても勃起しないほどに。



そのような腐った日常を送る彼は、初めてあった少女:乃絵に「飛ぼうとしない鶏」と揶揄される。まるでその例えは真実を描き出しているかのようで。彼女の悪態に自尊心を傷つけられたお返しに皮肉をお見舞いすると「貴方に不幸が訪れますように」と呪われてしまう。



その日から、主人公:眞一郎の人生は変わり始めた。
「飛ぼうとしない鶏」の名を返上すべく箱ティッシュを用いて、手作り工作、渾身を込めて鶏のオブジェを作る。一人で木に登って降りられない鶏ガール乃絵にも「バッチコイ」と立ち向かう。乃絵は乃絵で本当はいつもひとりで降りられるも関わらず、眞一郎に甘えたいが故に「一人じゃ降りられないの」とさり気無く弱さを垣間見せる。一目でオブジェを気に入った乃絵は自分が可愛がる鶏にもそのオブジェを見せようとするが、小屋には食い散らされた羽根の痕。「ヤバイ、泣く」と眞一郎は思いしが、気丈にも乃絵は涙を見せずに立ち上がる。その姿を眞一郎は「強いんだな」と表現するが、乃絵からは否定の御言葉が。乃絵曰く「私、涙げ上げちゃったから」と。そう言いながら眞一郎の方を振り向く乃絵の姿は、彼が憧憬を寄せるイデア界の女神像の姿そのものであった。


他の方々の感想

はてなダイアリー内の感想を片っ端から見ましたが、御大とcointossさんの感想がしっかり書けていて読んでいて楽しいです。
今年もよしなに。他の感想は独り言系が多くてー。

2008-01-06

主人公が風呂で比呂美に遭遇した後ティッシュを引っ張り出した時は、てっきりその半裸を思い浮かべて一発抜くのかと思ってしまいました、ごめんなさい(笑)。

ここで抜いたらアニメ史上の伝説に残ったと思いますよ、旦那!!


http://d.hatena.ne.jp/cointoss/20080106/1199586200

特番や雑誌のインタビュー等で西村監督が言っているようにひたすら視聴者の予想とは異なる方向へ行く展開ならまあ(主に実況的には)面白くはなるのかな.とは言ってもベタな展開から一歩踏み出してみたぐらいなんだろうけど.あの鶏惨殺シーンぐらいじゃなあ……あそこで乃絵が 「飛べない鶏はただの鶏だ」 とか言いながら自分で殺していたのならビックリしたんだけど.もし,比呂美の裸を見ておもむろにティッシュを取り出した眞一郎が自家発電をしなかったことが 「予想と異なる方向」 だというのなら笑っちゃいますよ?

「視聴者の予想とは異なる方向へ行く展開」という台詞は死亡フラグだ。
・・・だめーぽとか。