CLANNAD 第15回「困った問題」 の感想・レビュー

今回のクラナドは、演劇部再建終了のお知らせ。
一番の見所はなんといっても春原の感情表現。
高校生活で挫折を味わうことしかできない人間臭さ溢れる男の激情は心を揺さぶる。
芽衣が登場したことから推測するに、春原ルートもやるのか!?


ことみ、椋、杏の仲間たちを得た渚は意気揚々と元演劇部顧問幸村先生のところへ。だが幸村は合唱部の顧問の要請もされていた。元演劇部顧問の幸村は道理的には渚たちのところへ復帰するのが正等だ。だが無理を通せば道理は引っ込む。どこの誰だかしらないが実力行使で渚に合唱部を諦めろと脅迫してくる。Key作品最大のテーマ:どこまでも「人の善意を信じます」が発動。「合唱部はそんなことしないと」意地を張る渚だが、春原の班員探しの結果犯人は合唱部であることが判明。曰く、仁科さんはヴァイオリンの天賦の才を持っていたが怪我で握力が弱くなり引けなくなってしまったとのこと。そのため合唱をしたいから演劇部を諦めろと。



はいは〜い。全国1億2千万の春原ファンのみんな。ここからが春原の見せ所だ。人生の挫折を知ったものにしか味わうことのできない苦渋を今こそ眼前に焼き付けるときが来たぞ。春原はスポーツ推薦で田舎から出てきた男の子。だからこその田舎者のコンプレックス。それを覆すためには結果が必要だ。スポーツしか取り得がなくても活躍できることがあるんだ!!故郷に錦を飾るため、いざいざゆくぞ国立競技場。実際春原はサッカーが巧かった。だが先輩と衝突し退部、サッカーをしたいのにできない状況に追い込まれてしまう。たとえスポーツ推薦でなくとも、今まで打ち込んできたものが無くなってしまえば喪失感を抱くことは否めない。ましてやそれまで人生を捧げてきたものが崩壊した春原は無為な日常をただ諾々と過ごす落伍者としての人生を送ることになる。春原はそんなみっともない自分を認めるのが嫌で学校という社会体制に反発しているの。故に、故に、春原は合唱部を許すことはできない。自分のハンデに甘んじて、それを他人に押し付けて同情を買い、自分たちの主張を通すために無理を通そうとするなんて!!認めたくない!!認められるか!!認めることができるかぁぁぁぁぁぁぁ!!ここで認めてしまったら俺の今までの人生はなんだったんだ!!




生き甲斐もなく、ただ腐っただけの日常を送る学生生活。朋也が視聴者の桃源郷だとしたら春原はまさに等身大の代弁者。せめて最後にだけは幸せな夢を。やりたいことなんてなんにもない、やれることも何にもない、しかし何かがしたいんだ。有紀寧を登場させ占い発動、そのアドバイスにより何故かバスケをすることに!!春原の理屈はこうだ。春原&朋也は不条理によって地の果てまで堕ちた落伍者。そんな落伍者たちが牙をむきバスケ部に戦いを挑む。ハンデを抱えた者たちだって「やればできる子」を見せ付けてやるんだ。さすれば合唱部も自らのハンデをさも悲劇のヒロイン如く利用して顧問を獲得しようとする態度も改まるだろう。演劇部再建!!やったーというシナリオ。動き出したら止まらないのが春原というオトコ。妹:芽衣も登場したということは、あの読むものに身の毛をよだたせた春原シナリオを映像化するのだろうか。サッカー部のやつらがよってたかって芽衣をリンチするんだぜ。




一方、朋也と渚サイド。渚は合唱部の事情を知り全てを諦める。だが今までのことは無駄じゃないさ。老荘思想でも「無用の用」って言ってるし、ユーゴーだって「ワシは無駄なものが好きだ!!」って言ってるよ。渚はこれまでの過程で一人もいなかった友達を獲得し、人の絆を得たんだ。それをサポートしてくれたのが岡崎さんなんです。これで良かったんです。えぐえぐ、でもっ、でもっ。そう、渚にとって演劇部というものはおいそれと譲ることはできない特別なモノ。まさに不条理によって悩める少女の姿を見て、我等が堕天使ヒーロー朋也きゅんは心を揺さぶられる。渚のために何か役に立ちたい、渚を生涯支えてやりたい、渚は俺の嫁!!と溢れるその情熱は選択肢:抱きしめるをチョイス!!こでフラグが立ったわー!!と思いきや杏さんつーかシナリオさん、ここはホント見せ場なんで、もうちょっとこう違った表現方法をオフウ




結局、抱きしめるフラグが消滅し、このままで行くと誰ともフラグが立たないときに入る草野球シナリオに突入しちゃうじゃありませんか!?と思いきや、なんと渚ちんが大暴走。いきなり朋也のコイビト宣言をしちゃうじゃありませんか!!なんという展開。好きな男を別のオトコに取られてしまうかもしれないと思った渚ちん。それだけは絶対にさせない。「朋也くんの貞操は私が守るの」と奮起した渚は顔を赤らめながら、はにかみはにかみのたまうの。「だって、だって岡崎さんは私のコイビトですからっっ!!」。これを聞き満更でもない朋也きゅん。こうやってフラグを立てるとは。普通に抱きしめてください。



演劇部は、演劇部はきっと智代ならなんとかしてくれる!!
智代フラグも出てきたし、みんなでで智代を会長にして演劇部再建って流れかな?

他の方々の感想

http://d.hatena.ne.jp/cointoss/20080125/1201226189

「合唱部兼演劇部にすればいいじゃん」 とか考えたのですがそうゆう展開にはならないようで.それにしたってあのバスケ展開は,実際に対決をするしないにかかわらずそして陽平(CV:阪口大助さん)の思考回路はいいとしても,あれで話が進んでいってしまうことに正直ポカーン.(中略)個別ルートが終わった途端にどう物語が転がっていくのかわからなくなってきました.


2008-01-25

先輩と衝突してサッカーを続けられなくなった春原、体が弱く留年して演劇ができなかった渚、父とケンカして肩を壊してバスケができなくなった朋也、交通事故で腕を怪我してヴァイオリンが弾けなくなった仁科さん。みんなが幸せになれる方法はないのか?智代が生徒会長だったら?そしたら、有紀寧の占いに触発された春原の提案でなぜかバスケ対決に…!?まあ、深く考えずに、演劇合唱部…ミュージカル部みたいなのをでっち上げてしまえば済んだことだと思うんだけどね…。人数が増えれば活動の幅も増えるし、お互い助け合えるし