true tears 第6話「それ…なんの冗談?」 の感想・レビュー

錯綜する人間関係は様々な試練を若者たちに課す。
今回は、愛子と比呂美がクローズアップされ、その二人の心情が掘り下げられる。
田舎におけるどろどろとした地域共同体内部の恋愛劇をとくと見よ。


まずは愛子から。眞一郎を好きで好きでたまらない愛子はついにその想いが溢れようとしてしまう。彼女自身、大好きな眞一郎と付き合えなくて「眞一郎の友達」に過ぎないオトコからの好意を無惨にも弄んでいることに気づいており、精神崩壊の日は近い。この愛子の心情描写に欠かせないのが三代吉という存在。「典型的な主人公の友達」キャラがヒロインをめぐる人間関係に巻き込まれるところに注目。彼は女体に情欲を抱きつつも、思春期の男の子にありがちなオンナを大切にするタイプ。田舎では娯楽が少ないので若者たちが性行為をその一種にするのは当然なわけで、寧ろその方が子供がたくさんできるという理由で、封建的な地域共同体においてはセクロスが推奨されている。三代吉が農家の息子であることを考慮に入れると、彼女が出来たら即性行為に及ぶというエートスの中で育ってきたことは明白。それも含めて三代吉は、愛子のために尽くそうとする。愛子の好みは全て把握し、差し入れの駄菓子も愛子の好きなものばかり。眞一郎が愛子のためにセーターを選んだと聞かされりゃア、もっと似合うセーターをプレゼントしてあげちゃうの。だがセーターの一件でついに愛子の箍は決壊してしまう。前のセーターは眞一郎が買ってくれたんじゃないの。眞一郎が手にしていたセーターを勝手に買っちゃっただけなの。眞一郎に気に入られたくて・・・それを聞いた三代吉は自分がピエロだったことに気づくのであった・・・


そして比呂美は異母兄妹をカミングアウト!!早期から異母兄妹説が濃厚であったが、比呂美自身がそのことを知っており、眞一郎にもその事実を伝えたのが大きな転機といえるだろう。本当は比呂美は眞一郎が好きで好きでたまらない。だが異母兄妹であることを知っているため、近親相姦になるので眞一郎とは付き合えない。なんというジレンマ状態。それでも一つ屋根の下で暮らしており、眞一郎との距離なら誰とも負けないという妹的自負心でその境遇を耐え忍んできた。だが、好意の対象である眞一郎から別の男との交際を匂わされ、その男の目的は眞一郎と乃絵を付き合わせたいからという意図があった。あははははははは、嘘だ!嘘だっ!!眞一郎くんはワタシノモノ・・・誰にも・・・渡さない。オニイチャンハワタサナイ・・・次回予告を見る限り、ヤンデレ化した比呂美が乃絵と乙女の戦いを繰り広げるようだ。しかし比呂美は今回の描写で、蛍川の4番こと乃絵の兄貴と無意識的な本能の繋がりがあるようす。きっとそれは両者とも近親相姦の匂いがぷんぷんしていること。「好きなものを好きでいられなくなるのは辛い」というコトバが象徴しているように、禁断の関係にならざるを得ないことを意味しているのか。


そして乃絵ちんは、眞一郎から奪い取ったベルトを腰に巻きつけてご満悦。乃絵の兄貴は、乃絵のことなら何でも分かるそうで、それが乃絵自身が気づいていない感情だとしても。つまり乃絵が無意識的に眞一郎に惚れていると兄貴は考えており、それに加えて自分が近親相姦にならないうちに早く乃絵の世話人を見つけてなくてならない、という心理が働いているようにも思われる。
比呂美はヤンデレ妹として乃絵とのバトルをするようだが、近親相姦フラグを立てた同じ穴の狢として、乃絵の兄貴と傷の舐めあいルートに入るのだろう。もしくは母親の反応から実は違いましたよシナリオか。前者のほうが乃絵ルートに入るのには無難な展開かな。問題は愛子との関係をどう落とすかが、みもの

他の方々の感想

2008-02-10

今回の出来事で、眞一郎と比呂美の父親は同じ“かもしれない”ことが明らかに。でも、この段階で明かされたことで、逆に眞一郎ママンのブラフという可能性の方が濃厚になったかな?あの良識のありそうな父親が、短期間に2人の女性と関係を持っていたというのは考えにくいし、比呂美に告げたことを、眞一郎ママン本人は大して重要視しておらず、まだ覚えていたの?程度の認識だったので、眞一郎ママンと比呂美ママンは、2人とも同じ男性を愛していて、でも眞一郎ママンとの結婚が決まったことを憎んだ比呂美ママンが、眞一郎ママンへの嫌がらせとして、“あの人と寝たの”的な爆弾発言をしたのかもしれないね。それを真に受けた眞一郎ママンが、人の男を体で誘惑した汚らわしい女という認識を持ってしまったのかも。


http://d.hatena.ne.jp/cointoss/20080210/1202596590

というわけで比呂美と眞一郎の間に推定異母兄妹フラグが立ちました.色々な方の感想を読んでいて 「なるほど異母兄妹という設定かあ」 と納得していたのでそれほど驚きもなく.というかまだ推定なんですね.これってどうみてもゲーム的な設定で,ラストで 「違いました〜てへり」 なんて感じでハッピーエンドが用意されている感じなんですけど.いや個人的には,このアニメでは単に推定という単語が外れるだけで比呂美と眞一郎が兄妹という新しい関係を築いていくエンドで十分かな.この外乱を受けてそこに至るまで揺れ動く二人の想いを見ることができれば.