CLANNAD 第22回(最終回)「影二つ」の感想・レビュー

クラナドもいよいよ最終回。両親の夢を壊してしまった渚。演劇部の為に、チーム岡崎の個人的な時間を奪い取ってしまった渚。
自分だけ夢を叶えてしまうそれで良いのかという罪悪感がのしかかる。
そんな渚が自分の考えは間違いだと気づき両親と仲間たちの声援により立ち上がる姿に感動させようという手法。
劇の内容=幻想世界は原作信者としてはフィルターかかっちゃいます。

立ち上がれ渚ちんの巻き


父と母の夢を犠牲にしてしまった娘としての自分。だけどそんなことは一切知らなくて、その両親の愛に包まれていたことを当然のように過ごしていた。だが、初めて両親の実態を知った渚は罪悪感に襲われる。さらにビデオ「演劇コンクール」で、秋生が劇の優秀賞を獲得し「演劇さいこぉおっぉぉお」と叫ぶシーンを見てしまい追い討ちがかかる。朋也の励ましも効果は薄く、解決できないまま舞台へ望むことになってしまった。舞台上で大衆の目にさらされた渚が罪悪感に苛まされ、高校時代の秋生の叫びが脳裏に響く描写は悲壮感が漂っていて手に汗握る。ただ、渚に発した「第一声」は朋也が良かったよ。第一声は秋生で、舞台上で何も出来なくて涙がこぼれちゃう渚に入り口から励ますの。固有結界「父親の愛情」が発動だ!!


夢を叶えろ!!渚ぁぁぁぁっ。渚!バカかオメーはっ。子供の夢は親の夢なんだよ。お前が叶えればいいんだ。俺たちはお前が夢を叶えるのを夢見てんだよ。俺たちは夢を諦めたんじゃねぇ。自分たちの夢をお前の夢にしたんだ。親ってゆーのはそういうもんなんだよ。家族ってーのはそうゆうもんなんだよ。だからあの日からずっと、パン焼きながらずっと、おれたちはそれを待ち焦がれて生きてきたんだよ。ここでオメーが挫けたら俺たちゃ落ち込むぞっ、テメーっ。責任重大だぞ、テメーっ。


この後、早苗さんに続き朋也も挫折した想いを渚に託していると励ます。家族の思いと仲間の思いを糧にした渚は立ち上がり舞台を成功させるにいたる。個人的な考えではあの幻想世界は渚死亡後に汐を育てる朋也父子家庭編を見てからではない効果は薄いと考えているので、なんか尻切れトンボで終わったような感じです。最後の劇にするために幻想世界をやったんだと受け止められそう。

父との和解と告白シーン


父子家庭で父親と不和な朋也だが、その親に対する嫌悪感は朋也の息子視点であり、「汐を育てて初めて、父親一人で子育てするために親父もいろいろと捨ててきたものがあった」と気づいて和解という表現があら改変。アニメ版では、朋也が「素直になれないただの反抗期の息子」になっちゃってますぅ。これで父親との不和はオシマイですか?朋也の出世を犯罪で妨げるシーンあるんすよ、原作では(…と信者っぷりを主張)。それに最後の告白シーン。渚のおかげで学校が嫌いじゃなくなってきたとアピールしてリア充を醸し出す。個人の力ではどうにも出来ない世間でのしがらみに対して、なんとか立ち向かっていこうとする姿が「俺たちは上り始める。長い、長い、坂道を」なのにね。アニメ版では「学校に生き甲斐を見出せなくなったスポーツ推薦の挫折者が、女の子の支えとなることで新たな生き甲斐を見出し、女の子の夢を叶えて結ばれる」っていう普通のエロゲ展開になってしまいましたね。まぁ、これはこれで一つの並行世界のカタチであり上手くまとめたと。

他の方々の感想抜粋

2008-03-21

平凡で薄いラブストーリーと言う印象しか残らないんじゃないかな、これだと。自分を含め、大半の視聴者の気持ちを一言で表すなら、“物足りない”になるんだろうなあ。これにてハッピーエンド?いやいやいやいや、幻想世界の少女も、光の玉も、ガラクタ人形も、朋也のデジャビュも、朋也と父親との関係も、オープニングに出てる女の子も、渚の病弱設定も、色々投げっぱなしで消化不良も良いところ