追憶のペルシャ

ペルシャ特集。イランにおける帰属意識民族意識について。
イランにおける帰属意識の根源にあるものは、アラブでもイスラムでもない。古代ペルシャという意識である。古ペルシャ語ゾロアスター教が人民の中に根付いてきたのである。では近年におけるイスラムイデオロギーはどこからくるのか?それは、戦後イラン史を押さえねばなるまい。1951年、モサデグがアングロイラニアン石油会社を国有化したが、共産化をおそれたアメリカの圧力がかかった。アメリカはパフレヴィー2世を支援し王権強化を図り脱イスラム化による上からの近代化白色革命を起こした。しかし、民衆の支持は得られず、アメリカに不満を持った人民を掌握したのがホメイニで、イラン革命でイラン=イスラム共和国を樹立した。つまりは、近代西洋⇒イスラムと統治イデオロギーが変わったに過ぎず、民衆の帰属意識は国家にないということである。