西尾維新『化物語(下) 第5話「つばさキヤット」』の感想・レビュー

妖怪系憑き物ハーレム小説の最終話。糞真面目系委員長の恋愛ストレス話。
怪異と接することを受け入れることにした阿良々木氏の成長を楽しめ。
怪異を当然と見做すと現実に過ぎなくなるという論理と会話のテキストがみどころ。


妖怪は迷信であり、それを信じなければ科学的に説明できる現実となる。だが、迷信だからこそ信じていれば力を持ってしまう。羽川翼は現実的に見れば家庭環境及び現実でのストレスをうまく発散できず、暴力的な衝動に駆られちゃう発狂した女の子。でも、それはストレスのために化け猫に憑かれたということも出来る。どっちにしろ、解決するには委員長のストレスを緩和させなければなるまいて。で、彼女のストレスになっているのは、主人公:阿良々木暦自身だったというわけさ。つまり、いいんちょの翼ちんは阿良々木氏が好きで好きでたまらないのに、阿良々木氏から恋愛相談されたり惚気話を聞かされていたというわけだ。解決するには、翼ちんと付き合っちゃえばいいんじゃね?という展開になるが、阿良々木氏には彼女がいるじゃない、裏切るわけにはいかねぇよ。そう答えたら阿良々木氏は消されそうになっちゃった。ストレスの根本が無くなれば、翼ちんは元に戻れるもの。はっはー、それでも生きたいと吸血鬼を召還して大勝利。翼ちんには今後あんまりストレスをかけないようにしたり、怪異に立ち向かう覚悟をしたりとハッピーエンド