南房秀久『ストライクウィッチーズ 乙女ノ巻』(角川スニーカー文庫) の感想・レビュー

アニメのノベライズはタイアップじゃないとちょっと売れねぇよなぁと思わせる内容。
4章構成で、話の要旨は以下の通り。

  • 1章:アニメ第2話の戦闘描写そのまま
  • 2章:こっくりさんをやって平家物語の巴が芳佳に憑依するという小話。
  • 3章:ルッキーニ発案で近隣の村で親睦会をする。
  • 4章:親睦会中に襲撃⇒戦闘の中でルッキーニが芳佳の長所を見出す。

各章を貫く根幹は、縞パン:ルッキーニが芳佳を隊の一員として受け入れるまでがテーマになっている。絶大な魔力を秘めているが訓練ではへたくそ。だが実戦では功績を挙げる芳佳に対して、ルッキーニは懐疑的になっており、どうして芳佳のような人材が隊に編成されるのかを疑問に思っていた。アニメでは「リーネと股間合体大作戦」を披露したり「トゥルーデお姉ちゃんにホイミ!」で仲間として受け入れるようになっていったが、あまり絡みの無かったルッキーニがどのように芳佳を受け入れていくを補完できるようになっている。キャラの呼称や敬語などの台詞の言い回し、動作行動において微妙に違和感が感じられるのは、アニメでもキャラクター設定が固まっていなかったからだろう。結論として、縞パンは次のように思うようになる。芳佳の魅力値が異様に高いのは諦めずに頑張ることが出来る健気な姿。その要因は芳佳が亡き父の志「その力を多くの人を守るために」を受け継ごうとしているから。縞パンは近隣の村のがきんちょを守ることで、芳佳の意志に気づく。こうして芳佳は年下縞ぱんルッキーニの好感度を上げるのであった。