『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』における幼馴染:田村麻奈美が可愛すぎる

昨今のヲタ文化描写モノの流行に乗って「妹」に巻き込まれて一般人視点からヲタク文化を眺めてニヤケルことを趣旨として名声を得たラノベ。ヲタ文化描写の隆盛はげんしけんで一般的に確立され乃木坂春香で若年層を取り込み801ちゃん腐女子で収束しそうな感じ?


この作品ではキモヲタとギャル系女子中生を兼ね備え葛藤する妹が正規ヒロインですが、その対比として日常パートを牽引する地味で普通な幼馴染が可愛すぎる。主人公を影に日向に支え、それはもう心のオアシス。日常パート要因なので出番が少なく、作品中のキモヲタワールドを客観視させるための装置に過ぎない登場人物で、ラノベやアニメなどのようなドラマは決して何も起こりそうも無い幼馴染なのですが、それだからこそグッとくるものがあります。主人公と積み重ねてきた年月によってツーカーの仲であり、まったりと心休まる空間を提供してくれる爺さん婆さんな関係。だからといって恋愛感情が皆無かといえばそうでもなく、放課後デートで近所の公園で茶を煽りながらも、膝枕をしてあげようと両手を広げて顔を赤らめちゃうような側面も併せ持つのである。しかも示しあわせたかのように地元国立受けるって一緒に受験勉強する仲だしよぉ。「普通」を目指すことは簡単なことではなく最初から高望みせず地に足つけて堅実に過ごすという描写があるけれど、こういうヒロイン像には思わず惹かれてしまいます。


私なんか高望みして浪人までしたにもかかわらず結局は地元国立で死にたくなる。こういう最初から堅実に自分の実力を弁えて適材適所を狙ってくるまったり系な人々を見ていると涙がでてくらぁ。最終的にはこういう地に足つけた人々が大成するんだと思うよ。いつまでも幻想を捨てきれず現実を貶しながら夢見がちに努力を重ねて好成績を取っても無駄なことに最近になってようやく気づいた。専修免許取るつもりで修士に進むつもりだったのに教授から圧力をかけられおじゃんになり、就職先も無いNEET予備軍の四回生になってようやくな!!卒論指導も放置プレイ状態だし下手したら底辺国立地方三流駅弁で留年とかいう恥辱を味わいそうな予感がするよ。だからこそ現実でちゃらんぽらんなリア充に対しては羨望と憧憬と嫉妬と嫌悪が入り混じってしまんだよね。先行研究や参考文献にほとんどあたらないでレポートや演習するやつとかが教員試験に落ちたからといって教授にゴマすってコネで大学院に行っているのが現実なんですよ?だから私は現実で失敗し割りと過酷な人生を送る鍵とかの作品が好きだ。そしてせめてもの救いとして、堅実に自分の実力をわきまえて努力をしようとしているヒロインを眩しく感じる。