歴史教育における主題学習

その時歴史が動いた』を視聴して、主題学習と放送利用について考えてたら何時の間にか主題学習についてまとめていたのです。放送利用について全然書いて無いとか、『そのとき歴史が動いた』関係ないとかいうツッコミは無しで。


歴史の内容構成・学習法には、通史的学習方法と主題的学習方法がある。通史学習はお馴染みの古い時代から新しい時代へと起こった順に内容を構成する学習法。一方の主題学習というのは「一定の地域や時代の特定の主題に関する歴史を学習する方法」である。よく教科書のおまけみたいな感じで世界史への扉とかテーマとかスコープとか書いてあるやつですよ。具体的には、「世界史のなかの子どもたち」「世界史の中の空間と時間」などなど。


この主題学習は、現在においてより一層重視されており、新しい学指導要領の地歴科でもA科目では「課題を追求する学習」、B科目では「適切な主題を設定して追及する学習」として強調されている。主題学習は「生徒主体」であることと「歴史教育の目標」の達成ということに効果がある。前者は、生徒主体でなくては授業が成り立たなくなってしまった日本の実態に即したものであり、後者は歴史的考察力・歴史的思考力の育成という問題である。適当な主題を設定することで、政治的、経済的、社会的な観点から総合的に学習させるのである。


だが、現実の歴史教育における高等学校の現場では、主題学習はあまり取り入れられていない。ほとんどが、試験にパスすることが何よりの絶対条件であり、歴史的思考力の育成よりも「歴史知識」を時代順に詰め込むことが要請されている。加えて。高校は授業づくりに長けた教育学部卒は軽んじられる傾向にある。高校では、文学部や法学部や経済学部で専門やってきた人のほうが多いので、生徒の発達段階に即した授業作りが出来ない、細かい知識を叩き込むだけ、史料批判学習に陥るということが多々ある。まぁ、実際の所、論述を課す難関私大や国立二次は歴史的思考力がないと太刀打ちできないので、みんな論述対策の予備校に足しげく通い、政治史・経済史・テーマ史・地域史・分化史やマルクスウェーバーウォーラーステイン程度は学ぶのでしょう。