2008-10-03 西山教行「フランス語は『フランス人』を創出するか-植民地帝国におけるアリアンス・フランセーズの言語戦略-」(三浦信孝・糟谷啓介『言語帝国主義とは何か』 藤原書店) 国語 国民統合と国語教育 アリアンス・フランセーズ(略称:AF)は1883年設立の「植民地ならびに国外におけるフランス語のための全国協会」である フランス植民地帝国でフランス語の普及教育により言語同化主義政策をとる。 言語同化主義により「フランス人」を創出する。 時代背景 第三共和制下のイデオロギー対立(十字架と三色旗) 普仏戦争敗退後の祖国の観念の希薄化、国民国家の解体の危機 ⇒仏語の利用で国民の文化統合・国民意識の形成「単一にして不可分の共和国」 ⇒アルザス・ロレーヌの代替としてのアフリカ植民地。愛国心の拡大 結果的には、国内では成功。国外では不徹底 国内:仏語教育による愛国心が共和制下のイデオロギー対立を止揚。 国外:言語同化主義は不徹底 ⇒同化主義の徹底は本国フランス人と有色人種が対等になってしまうため植民地経営が成り立た無くなってしまう。 ⇒有色人種の「フランス人」の創出は1960年代のフランコフォニー運動から始まる。