雑録

三浦信孝「共和国の言語政策とフランコフォニー」(三浦信孝・糟谷啓介『言語帝国主義とは何か』 藤原書店)

  • 本稿の目的
    • 最近の地域語論争を手がかりにフランス語の成立と普及の歴史的過程を、フランス人の言語意識、フランス人に対する言語表象の形成に焦点を当ててたどる。
  • 本稿の項目
    • はじめに:言語権と「共和国の矛盾」「帝国の逆説」
    • 1:フランスの地域語論争
    • 2:国語の成立と国内植民地主義
    • 3:ジュール・フェリーの共和制帝国
    • 4:第三共和制の対内対外言語同化政策
    • 5:脱植民地化とフランコフォニーの同義性
  • 仏の左右両翼による反アメリカ:英語の世界支配はネオリベラリズムによるアメリカの世界市場支配と表裏一体
  • 仏による英語帝国主義批判が有効になるには、仏植民地イデオロギー清算されねばならない。
    • 国外⇒海外の植民地にフランス語を押し付け
    • 国内⇒言語統合の暴力:国民を創り出すために方言や地域語を撲滅
  • 共和国の矛盾:自由・平等・博愛の理念と人権思想に基づきフランス語による国民統合を果たしたフランスで言語権の理論が発達しなかった。
  • グローバリゼーションによって偏在化した英語支配に対して、フランスは反権力・抵抗の立場に身をおきながら、自らには言語ヘゲモニーを免除している。
  • 本稿はフランコフォビー(反仏反仏語)に資する議論かもしれないが、筆者の意図は真の多言語主義的フランコフォニーの理念を擁護するために、フランコフォニーイデオロギー性を脱植民地化することにある。