NHKスペシャル の感想

食糧危機の原因は、投機マネーの暴走以外の側面、世界的な農産物の不足という事実がある。
その対策としては、農地獲得と生産量の拡大。
しかし、その両方に消極的な日本ではライスパワーでの解決が狙える。
最後は、食の飽和で道徳的に訴えてエンド。

農地獲得競争

トウモロコシ価格の高騰により、かつて大豆を清算していたアメリカの契約農家が次々とトウモロコシ生産に乗り換える。アメリカの代替として目をつけたのが、ブラジル・パラグアイ満州黒龍江省)。そして近年において注目されつつあるのがウクライナの肥沃な国土。ヨーロッパ各国のアグリビジネスを担う資本家たちは、ウクライナに進出し農地を囲い込み。治安の悪さには傭兵で対抗。日本も進出を狙う一部の農家が居るが規模の点で圧倒的に不利。欧州の企業家たちは日本に大豆を輸出するのではなく、南アフリカ・インド・ドバイなどに売りつける。日本は海外における農地獲得競争に完全に乗り遅れているし、日本における農地も荒廃が進む一方。

生産量の拡大

農地の獲得とともにもう一方の車輪は生産量の拡大。品種改良は言わずもがな、注目されるのは遺伝子組み換え。世界的な食糧不足とともにアフリカでは遺伝子組み換え種が補助金の後押しとともに積極的に進められている。しかし、遺伝子組み換え種が必ずしもその土地に適合しているわけではない。例としては、アフリカ乾燥地にまったく適合せず生産量が半分以下に陥った事例が取り上げられていた。さらには、遺伝子組み換え種を開発する白色人種たちは決して遺伝子組み換え食品を口にしないことが、有色人種のなかで不満の種になっているという側面もある。

ライスパワー

農地化得競争も生産量の拡大にも消極的な日本はどうすればいいのか?解決策はライスパワー。農家よ立ち上がれ!!減反政策で減らされた土地を復活させ、食用米ではなく飼料米をつくればいいじゃない。さらにコメをそのまま食うのではなく、小麦の代替品としておコメパン・おコメケーキ・おコメうどん等などを開発だ。といった矢先に最近のカビ米事件の勃発ですよ。新自由主義経済のもとで資本の原理が優先される状況では消費者のことなんてどうでもいいみたい。せっかく米の転用が注目を浴びてきたなかでこれは痛い。そんななかでは、もう道徳的に訴えるしかないでしょ?食料価格の高騰とか食料自給率低いとか言うくせに、家庭ごみでの手付かず生ゴミが多すぎるわ!!という展開に。個人ではどうにも出来ない社会的な問題を「個人の出来ることをしよう」というオチに結びつけるのは良くあること。お米の神様、農家のみなさん、出来るだけ児童・生徒が給食を残さないように指導することにするよ!!