とらドラ! 第4話「あのときの顔」の感想・レビュー

愛情に飢え、誰かに受容されえることを望むきゅんきゅん少女大河。
今回のおはなしでは大河が北村を好きなのは自分を認めてくれる象徴としての存在だからという理由を語る。
北村が大河の告白を断ったのは、大河の日常生活をイキイキさせたのは北村自身ではなく竜児だったからなのです。


好きな人の写真を携帯したいと願うのは思春期まっさかりの疾風怒濤の時代には良くあること。大河は北村の写真を欲するがそれは全てピンボケばかり。今回は写真をめぐることによって北村と大河の関係が描写された。これで竜児・大河・北村・みのりんという登場人物の掘り下げと背景説明が一応済んだということになろう。北村の写真を追い求めつつ、コミカルパートも健在。まるおと呼ばれ密かに女の子に人気な北村くんに嫉妬したり、兄貴こと生徒会長とコミットする様子に立腹したり、前習え羞恥プレイをさせられたり、腋ワキカーニバルだったり、竜児とおんなじお弁当がばれそうになったり、男子トイレに進入したりとてんやわんやな様子で視聴者をして大河を愛でさしむ。いや三十路先生がいい味出しすぎなんですがね。そして「ねんがんのしゃしんをてにいれたぞ」イベントの後、大河は何故か意気消沈。あれれ?何があったのかなと扱いが難しくなった娘を心配する父親のように竜児はヤキモキ。


北村's写真が大河を不安定にさせたのには理由があった。大河が竜児に出会う前、両親に見放され誰からも必要とされず偏見の眼で見られ荒んでいたあの頃。社会に対しての不満が抑えきれず何に対しても反発して怒りを隠さずにいた大河を精神的に認めてくれたのが北村氏であったというわけさ。所謂、誰かに必要とされたいという「他者期待願望」ってやつだね。北村氏自身が好きなのでなく、「自分を受け入れてくれた」という事実が神聖化され、北村氏がその象徴になったのに過ぎなかったということさ。重要なことは、大河のありのままの魅力を一番引き出せるのは竜児だということ。その事実は大河ウォッチャー北村の言から読み取れる。かつて大河に告白し振られた北村は大河の観察者となるが、その視点から見た大河は竜児と居るときにありのままの姿を晒すの。そして北村はこう思うわけだ。大河は告白してきたが、それはきっと記号化された自己受容なのであろうと。あと会長の存在もでかいね。気になる点は、どうして北村が大河に惚れたのかということ。告白台詞では「怒りを隠さないストレートな性格」が好きと述べていたがはたしてその発言にはどのような意図があるのかないのか。複雑な人間関係を描写したことで、次回はようやくばかちー登場。


個人的には三十路先生が好き。