ef - a tale of melodies. 第8話「reutter」の感想・レビュー

夕くんが選んだ結論は愛の逃避行。
しかし、ワカメに引越し先まで嗅ぎ付けられてお家芸の言葉攻めで精神崩壊。
帰る場所を求める優子と帰る場所になってあげるミズキが対照的。
今回のテーマは「逃げない」です。



前回、己のヒロイズムに酔いしれただけだった夕くんはフルボッコ。これからどうするのかに着目されましたが、選んだ結論は愛の逃避行、優子を連れて学歴やこれまでの人生など全てを捨て去り辺境の果てまで逃げだす。まばたきせずに覚悟を決めて、優子のために尽くす覚悟を示す。優子は、ホテルでえっちと夕くんをからかい、自滅して肉便器であることを自覚し鬱になっちゃいます。そんな優子を慰めるために、夕くんは神前性交渉に及ぶのです。ワケありさん御用達のおんぼろアパートに入居したのも束の間、夕くんは妹の形見と優子の紙飛行で一悶着。言ってみればこれらの道具は夕くんが同情心から動いている象徴。つまりは夕くんは妹を助けら得なかった悔恨を優子を助けることで解放されようとしている自己満足。それを一瞬のうちに見抜いた優子は即帰宅。優子にしてみれば自分は夕くんの妹のオルタナティブに過ぎず、そこんとこはワカメと一緒で、しかも安っぽい同情心をかけられているという状況。嗚呼、それでもPity is akin to love.可哀想は惚れたってことよ。夕くんは妹の代替品ではなく「優子そのもの」を選んでココロを繋ぎとめる。Aパート終了、良い最終回だったね?いやいやハッピーエンドで終わる筈はありません。



中卒高校中退者でも選らばにゃ職に就ける。おんぼろアパートでまるでママゴトのような幸せに漬かる二人。家に明かりがついているっていいな=家に誰かいるっていいな=優子がいて良いなと遠まわしに甘い台詞を吐いちゃったり、早く家に帰って欲しいのぉとか応えて乳繰り合う。しかしそんな幻想世界は長く続くはずもなく、ワカメ再登場。夕くんが手ぬるいのかワカメの捜索能力がすごいのか!?そして3週連続言葉攻めタイムですよー。ワカメと夕くんは妹を亡くしその悔恨の救いを優子に求めた点では同じだが、ワカメは妹と一緒に死ねなかったことを悔いていた。一緒に死ねたのに、妹を見捨てた夕くんはワカメにとっては許しがたい存在。逃げた逃げたと夕くんをして精神崩壊させしむ。夕くんは逃げる場所になれても帰る場所にはなれないと。衝撃を受けた夕くんは、さっき優子に早く帰ってきてねとおねだりされたばかりなのに精神崩壊状態で彷徨い歩く。帰りが遅くて心配になっちゃった優子が求めた帰る場所はいつの間にか夕くんから先輩へ、そしてお兄ちゃんへと移ろっていく。そして最終的にはワカメのもとへと舞い戻る。独りアパートに帰った夕くんが手にしたのは優子の紙飛行機。おもむろに開けてみるとそこには「たすけて」の文字が。そうAパートで同情憐憫哀れみと優子が解釈したのは夕くんが紙飛行機を見て行動を起こしたと思ったから。そう優子は口先でどう言おうと最終的には救いを求めていたのだ!!夕くんは何度だって立ち上がれる。勝利条件はワカメの打破。



そして時間軸は現在へ。ミズキを清算した久世氏は思い出に固執する夕くんをあてこする。逃げない夕くんを称してもう二度と優子に会えないのにいつまでも未練たらたらで引きずりまくっていると。この時点では夕くんは優子事件により逃げない覚悟をした後の夕くんなのでしょう。もう雨宮優子とは会えないとは何を意味しているのか?そもそも現在の優子は何者なのか?現在の時間軸での優子は神出鬼没で道に迷う一期メンバーの道しるべとしてのアドバイザーでありオブザーバーという位置づけ。生霊なのか死霊なのかそれともただのシスターさんで生きてるのか?一方、ミズキは原作ではレイプアニメでは言葉攻めで久世氏から逃げちゃいましたが、ヴァイオリンのお届けものと凪さんのアドバイスにより再び立ち上がる!!負けても負けても立ち上がるミズキちんは聖母となりて、久世氏を救う決意をするのであった。