CLANNAD AFTER STORY 第9話「坂道の途中」の感想・レビュー

今回のCLANNADは卒業式。夢も目標もない腐ったような学生生活。朋也はこれまで渚が周囲に馴染めないながらも留年してまで学校に固執する姿にココロ打たれ救いとなってきたが、実は救われていたのは朋也の方で惚れた女に自己肯定されてきたという傷の舐めあい。欠陥した女の子の困ったことを救うことで、社会的掃き溜めから視聴者は救済されるというおはなし。良い最終回だったね!!



進路で悩む朋也だったが、そこへきて渚の病弱トリガー発動。朋也の行動原理、すなわち生きている意味は全て渚のために。渚がいなくなればあっけなく精神崩壊し何事も手が付かなくなって、何も決められないまま卒業することになる。春原が朋也を指して脆いと表現してるあたりが腐っても友達。朋也を心配するが気晴らしくらいしか出来ない朋也ヒロインズ。サブヒロインズシナリオでは朋也が精神崩壊せず脆いところも見せないので、そんな弱ったところを支えてくれるのが渚ちんといえよう。原作では、周囲のメンバーと渚はそんなには親しくならずフェードアウトしていくような感じなので、仲間内で友達たくさん呼んでクリスマスパーティーとかしてると涙がそそる。今までひとりぼっちだった渚にこんなにもお友達ができたなんて感無量ですよ。きっと秋生も早苗さんも。娘の幸せが両親の幸せなんて言ってくれる両親はそんなにはいねぇーぞぃ。


そして巻いて巻いての卒業式。幸村先生イベントが一番の見せ所。進学校の中で落ちぶれてしまった朋也や春原にとってはその学校はまさに生き地獄。受験しないのに進学校に在籍している二人にはもはや退学フラグしかなかった。しかし今のご時勢選択肢は多いほうがいい。周囲の教員が朋也たちを持て余し、さっさと退学させたがっているのに対して幸村は違った。場数を踏めば踏むほどいつの時代にも問題児というものが出てくる。そんな問題児に接してきていた幸村は、定年最後の一仕事として朋也たちを卒業にまで導く。孤立しがちであった朋也と春原ふたりを組ませ、友達が出来ればきっと学校も辞めないだろうと。幸村の配慮を汲み取って頭を下げる二人の姿には思わずお涙頂戴。そしてゆきねぇと智代の後輩二人組みに渚のことを託す。原作だと二人と接点がないから渚二留ひとりぼっちでそれはそれは鬱展開になるのだけど。卒業式から帰ってみればそこには朋也を待つ渚の姿が。渚と二人で卒業したかったと嗚咽を漏らす朋也を暖かく包み込む渚のふところ。渚を助けているようで実は救済されていたのは朋也だった。渚は朋也を導く自由の女神!!良い最終回だったね?いやいやここからがアフターですよ。ようやくアフターですよ!!