CLANNAD AFTER STORY 第10話「始まりの季節」の感想・レビュー

今回のCLANNADは現実の辛さと、朋也と渚の相互依存の関係。
2留して学校にさらに馴染めなくなった渚。
朋也は職を見つけて社会人として働き出すが、困難の連続。
CLANNAD AFTER STORYは鬱展開満載です。


学校というところは異質なものにたいしては、過剰なまでの忌避反応を示す。2留の渚はその異質な存在としての代表格。朋也と出会う前のひとりぼっちの頃の渚に逆戻り。これまで、朋也という媒介がいたからこそ智代やゆきねぇと接点があっただけで、現実には友達ナッシング。次第に疲弊していく渚。それでも頑張り続けるその真摯な姿は、次第に朋也に影響を与えていった。渚が頑張っているのに、ただ諾々と古河家の世話になり外貨獲得にも貢献せず家事手伝いの真似事をしているだけで良いのか!?リア充よろしくな藤林姉妹の安アパートの件が決めてとなり、人手が足りていないとぼやく芳野さんのもとへと走り電気工へと就職することに。古河家を出て行く朋也を見送る秋生のキャッチボール。実際、渚のところで飯食わせて貰いながら電気工したほうが色々と都合が良いがそれではいけない。将来的に渚を娶ろうと考える朋也にとってはきちんと自立し安定した経済収入を得なければならない。それを分かっているからこそのオッサンの発言には涙がそそる。嗚呼、あんたらもう立派な家族だよ。



安アパートを借りて、渚と新婚さんっぷりを堪能したり通い妻させたりと乳繰り合うが現実は厳しい。朋也と父親の確執や現実の労働の問題が山積み。しかし朋也は「生活かかってる」という言の通り目の前の仕事で働くしかない。元体育会系だけあって挨拶をきちんと出来ているところは好感度高いよ。初日は慣れることが仕事みたいなもんだしねぇ、と言ってみたところで非正規雇用正規雇用をごっちゃにしたら駄目か。労働初日はバイトでも疲れる況や正規雇用においておや。くたびれきったところでなんとか帰り着いた時に待っていてくれる人がいるってのはいいなぁ。どんなに辛いことがあっても誰かだいるから頑張れる。疲れているのに渚のはなしを一生懸命訊いてあげようとする朋也に敬礼だ。朋也と渚の間にはこうして共に支えとなりながら支えてもらっているという相互依存の関係が構築されていた。つまりは、依存する相手ががいなくなったらあっけなく崩壊してしまうという関係だ。渚はまだ支えてくれる人が家族もいるからいい。しかし、朋也にとって渚が居なくなったら生きる理由がなくなってしまう。ここを押さえておけば渚死んだ後の朋也の辛さを味わうこともできよう。来週はすれ違っていくふたりのおはなしか。