BS特集 シリーズ 中国・庶民の改革開放30年 第4回「青春の果てに〜広州〜 」の感想・レビュー

改革開放下による中国の若者下位文化を描いた。

文化侵略・文化帝国主義。アジアの若者は欧米に対する無意識的な崇拝の念があり、西欧のものは全て魅力的に映るものであった。改革開放化では享楽的な雰囲気が広まり、資本蓄積の論理のもとで、若者下位文化が花開いていく。その若者下位文化は、欧米崇拝の焼き直しで、似たり寄ったりなものにもかかわらず、勘違いしてしまった可哀想な若者が増産されていった。具体的には、ロックやディスコなどの下位的・大衆的な娯楽で、だからこそ簡単に若者を魅了することが出来、文化を植えつけることが出来る。文化を植えつけるということは、その国・地域の思想や感情を植えつけるということ。中国の伝統的な精神は解体され、拝金主義、競争原理を賛美する社会風潮を生み出し、アメリカナイズされていく。そう、まさに下位文化にどっぷりと浸かる中国の若者にとって、自らの思想・感情を植えつけられてしまっている可哀想な状況なのである。