- この文章の趣旨:主題学習には人物学習が最高なのだが実践例が少ないのでルターでやった。
1「世界史」の学習指導要領と主題学習
- 主題学習とは
- 通史学習(系統学習)を中心としながら、そのもっとも適当な段階で、生徒の「総合的な歴史的思考力」を育成・深化させるのに適した主題を設定し、いろいろの観点からより深く学習させること。
- 主題学習には人物学習が最高!!
- 主題学習主要文献一覧
- (1)永井滋郎「高校世界史Bにおける主題学習の性格とその意義」(『歴史教育』第182号所収)
- (2)内野智司「高校世界史Bにおける主題学習について」(『歴史教育』第179号所収)
- (3)三浦智孝「高校世界史における主題の取り扱いとその展開について」(『教育研究』第11号所収、秋田県教育研究所)
- (4)石田・磯部・西川「先史時代についての主題学習」(『歴史教育』第181号所収)
- (5)溝上泰「ギリシア・ローマの奴隷制についての主題学習」(『歴史教育』第182号所収)
- (6)望月照夫「近代以前の東西交渉についての主題学習」(『歴史教育』第182号所収)
- (7)大木政一「16世紀のヨーロッパ―ある女王の伝記的視角から―」(『中等教育資料』第224号臨時増刊号)
- (8)豊島宏「イギリス議会政治の発展を中心とした主題学習」(『歴史教育』第182号所収)
- (9)木村茂夫「ナチスの時代」(『第17回高等学校教育研究大会資料』所収、東京教育大学附属高校)
2人物を核とした主題学習の具体的指導例
- (略)
3学習内容の叙述
- 主題学習のしめくくりとして「叙述させる学習」―個別学習の報告文の作成
- 考えたこと、理解したことを関連・総合して平易に叙述させることによってまとめる力をつけさせ総合的な歴史思考力を深め定着させる。
- 「叙述させる」学習は主題学習においては是非実践されるべきだ。
4主題学習を実施して得た結論
- (1)関連把握の思考力・総合的な歴史的思考力を深めることができた。
- (2)主題学習の展開における探求の諸場面や、「叙述」という「個人的創意の行為」は、生徒の歴史的関心を深め、歴史学習の態度を育てる役割を果たした。
- (3)生徒は主題学習に積極的に興味・関心を持ち、その意義を深めている。
- (4)人物を核とした主題学習―ある典型的な人物の生涯を徹底的に学習させることによって、その人物が投げ込まれた時代の様相(社会、経済、政治、文化全般)とその人物の果たした役割を理解させること、は十分可能である。
- (5)教科書で多く取り上げられている主題「東西交渉」でも主題「東西交渉と張騫・玄奘・マルコポーロ」(野口賢三プラン)で実践することができる。