Like a Butler 秋津原瑞穂シナリオの感想・レビュー

Like a Butlerの瑞穂シナリオは「愛する人のために主に仕えることを辞める」おはなし。
お掃除してたらお手手が壷に嵌っちゃった!!でフラグ構築・・・
HAPPY ENDでは瑞穂がメイドを辞めてお家再興を志し、ノーマルでは和樹が六衛門さんに仕えます。
個人的には、和樹が瑞穂と一緒に六衛門さんに仕えるノーマルエンド執事ライフ編の方が好きかな。
しかし瑞穂の本当の願いを考えるとそうもいかんのですよ。

秋津原瑞穂のキャラクター表現とフラグ生成過程


秋津原瑞穂は頭が切れる万能型ちびっこメイド毒舌大好き。ちょっと奥手で実はぬいぐるみ大好きな恥ずかしがりやな微量ツンデレガール。瑞穂シナリオでは「愛する人のために主に仕えることを辞められるか」がテーマとなる。シナリオ読んでると結構だれ気味で、さっさと和樹が愛する女の為に六衛門さんの執事になる腹を括る覚悟をしろよとバシバシクリック。和樹の煮えきれない態度や瑞穂がどうしてメイドであることに拘るかが明かされるのがわりと終末部分なので、プレイヤーはやきもきすること限りなし。さらに恋愛事情は二人の手を離れてご主人様たちの問題へ。六衛門さんは和樹の執事能力を高く買っており、瑞穂と結ばれる=執事として仕えるという構図になることを前提としていた。しかし、愛する人のためなら主君を換えることも簡単だろう?という六衛門のいきなりの要求に奏がぶち切れ周囲を巻き込みおおわらわ。瑞穂とのフラグ構築の契機が「お掃除してたら壷がお手手に嵌っちゃった」というイベントですよ?(ぬいぐるみ事変とかもあるけど)それで手が壷状態の瑞穂と一緒にトイレ。えちしーんも聖水プレイが盛りだくさんというおしっこキャラの称号を手にした!!



結局のところ、瑞穂の心情が揺れ動くのは「秋津原家」に関する事情があった。瑞穂の秋津原家は戦前は支配下級であったが戦後の時流に乗れず没落、そこを部下であった六衛門一族に助けられ、主従逆転していたのだ。主従逆転したとはいえ、そこにあるのは確かな絆。両親の死亡後、娘のように育ててくれた六衛門家にはなんとしても報いたいし、六衛門はそんな瑞穂を手放したくない。じゃあ、和樹よ執事になってやれとと思いしが、実は瑞穂個人の想念は秋津原家の再興にあった。しかし瑞穂は新しい環境に一歩を踏み出すことを恐れ、その決意をなかなか出来ずにいたのだ。だけど、和樹がいるならその決意と動機と根拠と理由を明確に出来るの。今こそ、瑞穂が六衛門の庇護下から離れて自立するときが来た。和樹こそが瑞穂を支えることが出来るのだ。うちてしやまむ、その覚悟を汲み取った六衛門はあんなに反対していたのに、割とあっさり意趣返しで、瑞穂がメイドを辞めることを許す。「割とあっさり」とか書いたけど、このシナリオの8割は瑞穂がメイドを辞めることを六衛門に認めさせることで、1割が乳繰り合いで残りの1割が和樹と共にお家再興の野望を燃やすことなので、結構シナリオの根幹であるのです。六衛門に認めさせえも六衛門ダディにも承認を取らねばならん。和樹は男を見せて、瑞穂をどれだけ思っていることをみせるために、真剣で袈裟切りにしてきたダディに怯まず仁王立ち。愛する女への意志を示した和樹は皆に受け入れられハッピーエンド。瑞穂の秋津原家再興エンドへまっしぐら。