タペストリー 羽鳥詩シナリオの感想・レビュー

タペストリーの詩シナリオは「女の友情」。
同工異曲のこのテーマを死生観と絡めてどう描くか!!
親友が好きと公言している男と相思相愛になり友情にヒビが入っちゃう。
全てを捨て去り留学して逃げようとする弱さを克服できるのか。

羽鳥詩のキャラクター表現とフラグ生成過程


羽鳥詩は黒髪ロングで淑やか清楚なお嬢様メガネ巨乳。親友のひかりに誘われるがままに手芸部に入部、ひかりのはじめちゃんトークを聞かされるままに、いつしかその想いははじめに惹かれていく。ここで問題になるのは女の友情。ひかりが好き好きといってるはじめを詩が好きになってもいいのかしらん?と思い悩む。しかしながら詩ルートでは、はじめが発病し苦しんでいる姿が目撃されてしまい、両親以外には詩だけに病気のことを打ち明けることに。ホントはみんな知っててはじめの日常を大切にするために頑張ってるのにね。はじめは詩だけにこころを打ち明けられて、自分の弱さを詩に甘えていく。そんな自分だけにしか見せない姿を始めに晒され、詩は独占欲を擽られながら母性もきゅんきゅん。はじめとふたりっきりの秘密という甘美に溺れ、友情と恋愛に苦悩しながらも一時の青春を過ごす。そんな紙一重の状況はいつまでも続くわけもなく、はじめが詩に告白したことから、手芸部の日常は崩れ去っていく。はじめと詩の関係は気まずくなり、それを勘ぐったひかりが精神崩壊し、三人の仲はもうもとには戻れない。はじめはただ死ぬまでの一時を穏やかにバカ騒ぎしたかっただけだったのに。



全てを諦め諾々と時を過ごすはじめ。そこへ幼馴染の魚屋の息子の言葉が突き刺さる。普段はおっぱいのことしか考えない悪友だけれど、ここ一番で魅せるときが来たよ魚屋の息子。病気になってからはじめは達観しバカっぽく突っ走ってない、変わってしまった。最後までバカっぽく足掻けと。悪友の言葉に一念発起したはじめは動き出す。妹のような幼馴染のひかりとの関係をきちんとけじめをつけて、詩さんに申し開きをするのだ。奮闘するはじめだが、そうそうことは上手く運ばず、ひかりを追い詰め詩を追い詰め。結局詩は留学という手段にかこつけて、ひかりとの友情やはじめの死から逃げ去ろうとする。このまま詩を逝かせてしまっていいのかしらん?留学当日、手芸部みんなで詩の前に立ちふさがるもココロは動かず。万事休すのところへ、ひかりが駆けつけ女の戦い、修羅場、ぐさっ、ぶしゅーの展開へ。ひかり曰く「詩ははじめの思いからもひかりとの友情からも目を背け、自分だけ良い子ちゃんでいたいだけ。のらりくらりとかわすだけでなくつっかってこんかい!!」と煽りまくる。欲しいものは能動的に自分で手に入れるのよとはじめて気づいた歌は現実と戦う。ひかりに啖呵を切りはじめと向き合うことを決意する。ひかりと和解しはじめが死ぬ最後まで一緒に看取ってあげるのであった。はじめがくれた強さは詩が自立して生きていくために必要なものだった。一流ヴァイオリニストになるためはじめの思いをのせて楽器を奏でる。親友のひかりと共にはじめ亡き後を懸命に生きていくのだとハッピーエンド。