西尾維新『傷物語』講談社 2008 の感想

吸血鬼モノのラノベ。市営の図書館に転がってたのでそのまま読了。
吸血鬼の眷属にされた少年が人間に戻るために頑張るはなし。
相変わらず話の筋よりもキャラ立ちと会話の掛け合いテキスト面白いねぇ。
これで西尾維新モノは戯言と化物語シリーズに足を突っこんだことになるかも。

おおまかなはなしの筋とか

毎度お馴染み現役中二病患者の阿良々木暦登場。私立進学校で落ちこぼれてガッコツマンネ、勉強もついてけず友達も出来ず孤立を孤高と読み換えて斜に構えて世の中を穿ち今日も行く。そしたら瀕死の麗しき吸血鬼が助けを求めてるよ。選択肢「助ける」をチョイスしたら眷属にされちゃった。人間に戻るには彼女を瀕死に追いやったヴァンパイアハンターな人たちを3人ほど倒さなくちゃねという展開に。で、3人倒す。学園異能バトルは見せ掛けで実際は三つ編み委員長のキャラクター表現と会話の掛け合いを楽しむことに主眼が置かれているのよ。つーか、こんなヒロイン用意しといとフラグ立てまくっといて『化物語』では戦場ヶ原ひたぎエンドだもんなぁ、報われないぜ。委員長ちゃん羽川翼ちんはすっかり下着キャラとして定着しちゃったね。阿良々木くんの側にいるために痴女化することも辞さないぜ!!


閑話休題、話の筋に戻ると、阿良々木くんを助けた吸血鬼キスショットは500年もの長い時間を生きることに飽きて死に場所を求めていたんだけど、やっぱり死にたくなくて阿良々木君に助けを求めちゃったの。キスショットの目的は死に場所を見つけること。自分の命を投げ出してまで救ってくれた阿良々木くんを眷属から人間に戻すには主殺しをさせること。阿良々木くんがキスショットを殺せば、人間に戻れるしココロ穏やかに死ねるよ。そのため、阿良々木君がキスショットを容易に殺せるように人間を食事とか煽って熱血バトル。そのバトルに際し委員長ちゃんが真意を見抜いちゃって、みんなが幸せになりにはどうすればいいのん?結果としては、主従逆転でキスショットを弱体化させた状態で従属化し、阿良々木君も完全には人間には戻れないけど、血を与えて生きていくよという風にオチる。