こいとれ 共通シナリオの感想・レビュー

こいとれは恋愛とは何かを知るために奮闘する青春群像。
普通の人は考えないで恋愛するけどそれを真剣に考えるということは何か欠陥を抱えているから。
女を救い、承認されることで救われる為に、レッツ少女救済!!
星空のメモリアが面白かったのでライター買いですよ。

主人公の人物像と舞台背景


父親が居らず母親を亡くし両親がいなくなってしまった主人公;遊とその妹;海。遊は叔母の誘いも断って妹と二人で生きていくことに固執する。それは母親を亡くした遊にとって妹という家族を拠り所にしなければ生きられないから。妹の為なら何でもしよう。学校も友達も部活も遊びも恋愛も全てを捨ててでも妹の為に捧げようと悪戦苦闘。最初は家事も全然出来ず、失敗ばかり。叔母とその娘で従姉のお姉ちゃんであるうたはの気遣いは遊を苛む。海は最初の提案どおり引き取って貰った方が幸せでなかったのか?このままで海はまっとうな人間に育つのか?自分の自己満足の為に海を巻き込んでいるだけでないのか?と自答する日々。ハッハー鬱モノ大好きにはたまりませんなぁ。そんな遊にあるとき恋愛部の勧誘が現れ、体験入部としてミーティングに参加することになる。前評ではあまり周囲からはよろしく思われていない部活だったが、そこで繰り広げられていたものは、恋愛に関して真剣に考えるメンバーたち。彼女らは皆、恋愛というものに各々複雑な事情を抱いているため、普通に恋愛できないのだ。欠陥人間たちの集まりに遊も見事に選ばれる。異性が付き合うとはどういうことを意味するのか。感性で理論で種の保存で盲目的な生への意志で恋愛について喧々囂々。そんな活動に心を打たれた遊は恋愛とは何かを知るために恋愛部に入部する!!

共通1:ガチレズ少女とヤンデレ少女


恋愛部に入部した遊。そこでは恋愛について知るための知的ゲームが行われることになっていた。本文の中では複雑な描写があるのだが誤解を怖れずに簡潔に述べると「一年以内に恋愛に対する欠陥人間たちが部活動内メンバーと恋愛すること」が趣旨。恋愛するためには少女救済をしなければならないというわけさ。恋愛部の活動をする遊を不安に思った従姉のお姉ちゃんのうたはも生徒会として活動に参加することになり、ゲームスタート。個人的にはうたはゲーですようたはゲー。最初のシナリオは恋愛部の活動がどのようなものかを知るために、攻略不可のサブキャラ共通シナリオ。ここでもうたはが光ります。大まかな話の筋は、うたはを大好きなレズっこ少女が居て、その少女がうたはに関する悪い噂を流したとみんが勘違いしちゃうの。だってホントはその子はお姉ちゃん大好きっこ。だけどそのお姉ちゃんが好きな人はうたはに惚れていたの。そのためお姉ちゃんはバスケ部を辞めて恋愛部に所属し、煙草に偽装したハーブを噴かして周囲をおちょくる頽廃した日々を送ることになっちゃった。全てはうたはが悪い。うたはに関する悪い噂が流れれば、男はうたはに減滅しお姉ちゃんの方を振り向いてくれるだろうと。けどそれは結局全部憶測に過ぎなくて、レズっこはただレズっこなだけだった。じゃあ誰が噂を流したの?それは主人公の遊にぞっこん惚れている幼馴染ちゃん;小萌の仕業だった。母の死があるから恋愛などしないと思っていた遊が自分を見ないで恋愛するなんて耐えられないとヤンデレ寸前大暴走。ヤンデレ描写は小萌ルートでお楽しみにな展開。

共通2:母親を亡くした妹を救え!!


遊が妹を生きる糧にしていたように、海も兄を生きる糧にしていた。だが海は遊が自分のために全てを捧げてくれることを気にしており、遊に恋愛部の活動を推奨する。妹が自分を頼ってくれることが何よりの生きる意志となっていた遊は、海が意図的に遠慮している態度を取ることで、次第に精神が磨耗していく。このシナリオでのうたはとのやり取りは秀逸ですよ。雑巾作りのシーンがゾクゾクくるね。海が雑巾を作って欲しいと遊には言わず、自分でやろうとし、それに気づいたうたはが雑巾を作ってあげるの。後でその事実を知った遊は家族なのに隠し事をされ自分の存在が全て否定されたことを知り、うたはに対して八つ当たりをしてしまう。ここは一読に値するっ。うたはに当ってしまったことに自己嫌悪しながらミシンを走らせ、うまく雑巾が縫えなくて無力さを感じる。次の日の朝、うたはの偉大さと自分のちっぽけさを知った遊はうたはに頼ることを認め謝罪するのだった。山場はさらに続き、兄としてうはたの授業参観に出たときに、海が友達も居らずひとりぼっちであることを知ってしまう。母の死と兄への依存。悲しみに打ち克つためにわざと孤高であろうとする海。兄を心配させないようにと友達がいるフリまでして・・・。全てが分かったなら腹を割って話そう。兄妹の依存関係から脱するために。海の初潮トリガーまで発動し、本当に自立することになった海。お兄ちゃんへの依存や母の死を乗り越え、もう一度心を開いた海はクラスメイトとも普通に接するようになり、兄から少しだけ離れていくのであった。海の為に全てを捧げるという理由をつけて母の死に耐えてきた遊が今度はのっぴきならない現実と対面させらるのであった。それを癒すのはうたはだっ。うたはルートを待て!!