雑録

花と乙女に祝福を 名木城都シナリオの感想・レビュー

『花と乙女に祝福を』の都ルートは、母と娘のすれ違い劇場。
勘違いから意固地になり一方的にルサンチマンを募らせていたが本当はその分愛していたという愛憎。
主人公くんはそんな少女の頑なな心を解きほぐし、素直になれるお手伝いをする。
最後は予定調和で和解に成功、母娘の思いを繋いでハッピーエンド。

名木城都のキャラクター表現とフラグ生成過程


名木城都は、素直になれない強気っ娘ポニテ。主人公の妹;晶子とは親友で入れ替わりに初期段階で気づき衝突和解でサポート役に就任、生徒会長に使命された主人公くんを救うため生徒会との茶話会バトル、というのが共通シナリオの流れ。都のスタンドプレイが祟り他の部員に見捨てられ、部長と都の二人になってしまったところに主人公くんが後輩×2引き連れて、都の助けに参ります。皆で盛り立て茶話会を是非成功させましょうと一致団結。都シナリオの主な内容は「茶話会のテーマとなるお花を決めること」と「お母さんとの和解」。まず前者は、催し物の花を決めあぐね植物に対して安易な方法を取っちゃう都が自己嫌悪しちゃうの。何でも都が園芸部で孤立しているのは、一年前の茶話会において先輩方が知識もなしに土壌をいじってしまい全滅の危機にあったからであったとか。今回の茶話会で都が安易に白薔薇を青く染めようとしたのは当に同じことというべし。生徒会とテーマが被り向こうはホンモノとニセモノの欺瞞性を見抜こうという趣旨に対してこちらはあまりにも不覚。己を恥じ、責任を感じる都に対し、我らが主人公くんが出来るのは素敵なテーマを見つけること。生徒会側のアドバイスもあり、園芸部のテーマは思い出の花のエピソード語りに決定。主人公くんに助けられた都はきゅんきゅんしながら、一緒に準備を進めていくことになる。主人公くんの乙女適応っぷりはテキストグッドだよ。



茶話会の出し物も決まり一安心なところでここからが都シナリオの本番。都の問題の中心となるのが母親との対立、争点となるのが百合アレルギー。都は母親と不和であり、学園から家がそう遠くないにもかかわらず寮暮らしをするほど。そんな折、実家から何度も学校に呼び出しのお電話がかかり、その度に母親の具合が悪いの悪くないのと一悶着。都は、母親が自分の気持ちを乱す心理戦を仕掛けていると思い込み、実家に帰ることを拒否する。その代わりにと主人公くんがお見舞いにいくのだが、そこで見たものは確かに人を食った性格なもののまともな常識人の母親だった。そんな母親を都は呪うのだ。仕事にかまけて全然相手をしてくれなかったこと、ダディにも関わらず都が男と接触するのを禁じたこと、ばあやが贈ってくれた百合の花壇を台無しにしたこと、都が慕っていたばあやを解雇したこと、都に園芸の才能がないと断言することなどなど。二人の間には何かボタンの掛け違いがあるみたい。そんな母親の病状は芳しくなく、今にも入院が必要なほどであった。二人を取り持とうと悪戦苦闘する主人公くんだが、母親入院のお知らせ。都は母親への気持ちを抑圧してやる過ごそうとするが、真実を知った主人公くんから現実と闘うことを突きつけられる。実は都は本人無自覚な百合アレルギーで周囲の人物は都が気兼ねをしないように隠してきたのだ。ばあやは解雇されたのではなく、責任を感じて辞めたのであり、誤解があったのだ。全てを知った都を支え救うのは主人公くんのマッチョリズム。茶話会を成功させようと奮闘し、抗アレルギー剤やらおしべ除去やらで百合アレルギーを克服。茶話会の一角を飾るのは都の百合と母親のエピソード。娘の語りに、母親が訪れ、和解を演出。母娘のすれ違いを救った主人公くんは、茶話会も大成功のうちに終わらせ、生徒会との勝負は有耶無耶のままだけどハッピーエンド。