NHKスペシャル マネー資本主義 第3回「年金マネーの“熱狂”はなぜ起きたのか」の感想

なぜ年金がヘッジファンドと結びついたか。
高齢化と低成長により給付が掛け金を超えそうになり破綻しかけたのがその原因。
高い利回りを求めてヘッジファンドに走ったというおはなし。

年金は本来安心な運用をすることがモットーとされていた。そんな資産運用に転機をもたらしたのが、1980年と2000年のことであった。1980年、アメリカにおいてモノ作りが終焉を向かえ、金融によってなんとか覇権を維持しようということになった。年金において高い給付水準を維持するためにも、株式投資などの資産運用を迫られた。そして2000年、ITバブルがはじけ負債を被ったところ、なんとか逆転を狙うには、ハイリスクハイリターンのヘッジファンドに目先が移る。つまりは、年金は給付問題で行き詰るたびに、ハイリターンに賭け高いリスクに走って行ったのであった。ヘッジファンドは公開の義務がないため、実質的にどのような資産運用をしているのか分からない。どれが安全でどれが危険なのかは、倒産して初めて分かるというような状況であった。さらにヘッジファンドにばかりカネが流れるのを危惧した投資銀行が内部にヘッジファンドを創設する。これにより、投資銀行は自社が抱えるNot Ratedの格付けされるに値しない金融派生商品を裁けるようになったのである。このような状況の中、日本の年金も高い利回りを求めてヘッジファンドへ流れていき、金融危機で大幅な損失になった。