NHKスペシャル「マネー資本主義 第4回ウォール街の“モンスター”金融工学はなぜ暴走したのか」

金融派生商品証券化についてもうちょい詳しく説明して欲しかった。

サブプライム・ローンという「時限爆弾」を抱えた金融商品が、なぜ大量に生み出され、世界を熱狂させていったのか。今回の金融危機の陰には、金融工学という「科学的なリスク・コントロール技術」の発達と過信があった。そもそもの始まりは、人間の欲望が交差するマネー市場の値動きが、熱力学の法則と極めて近いという発見だった。核兵器や宇宙開発競争が下火になった時代、次の活躍の場を求める科学者がウォール街に流れ込み、数学理論で市場を予測しリスクをコントロールする挑戦が始まった。金融工学と呼ばれるようになったこの技術は、証券化商品やCDSといった新たな金融商品を生み出し、世界のマネーをウォール街に呼び寄せていく。

しかしこの緻密な科学のアプローチにも、重大な弱点があった。それは、パニック時に人間がとる行動までは正確に計算できないこと。バブルが加速し、崩壊の兆しを見せる中で、ついにその弱点が露呈していくことになる。

最先端を走ってきた科学者たちが、ことの真相と問題の本質、そしてマネー資本主義の未来のあるべき姿について語っていく。