②近世のタバコ
- イギリスへのタバコ導入
- ジョン・ホーキンズ、1564年仏領フロリダ植民地でパイプ喫煙に触れて翌年これを持ち帰る
- パイプ喫煙は最初イギリスに、ついでオランダへと伝播し、三十年戦争を通じてヨーロッパ中に広まったため、これが世界へのパイプタバコ導入の始まり
- 最初の恒久的英領植民地
- 『ポカホンタス』:ヴァージニア植民地の首府となるジェイムズタウンの建設をめぐって展開される物語。実在の人物をもとにしている。
- ジョン・スミス(1580?〜1631):ヨーマン出身でジェイムズタウン建設に尽力する。
- ジョン・ロルフ(1585〜1622):ヴァージニアにタバコを導入した
- ヴァージニア植民地の特徴
- 当初はタバコ栽培念頭にない、ガラス製造を試みるが失敗、当地の先住民のニコティアナ・ルスティカは嗜好に合わず。
- ジョン・ロルフがニコティアナ・タバクムの植え付けに成功
- 英領北米植民地最大の商品作物となるタバコ栽培が開始、ヴァージニア、メリーランド両植民地は「タバコ植民地」として名を馳せる
- 『ポカホンタス』:ヴァージニア植民地の首府となるジェイムズタウンの建設をめぐって展開される物語。実在の人物をもとにしている。
- 重商主義体制とタバコ
- 年季契約奉公人と黒人奴隷
- 近世のタバコは北米南部タバコ植民地とブラジルのバイア地方で生産、前者が圧倒的シェアを誇る。生産を担ったのは白人と黒人の強制労働。
- 白人「年季契約奉公人」(17世紀)
- 年季契約奉公制度は、イギリス帝国の中核たる本国から余剰人口を排除・棄民し、帝国の周縁へ植民、その地の労働力需要を同時に満たす、大西洋を介した人口再配置システム。
- 黒人奴隷(17世紀末以降)
- 17世紀末、本国の人口過剰が解決、植民地でも社会的上昇の機会が縮小 →黒人奴隷が大規模に流入
- 近世のヴァージニア、メリーランドの繁栄は、年季契約奉公人と黒人奴隷によりもたらされた。
- タバコ価格の長期トレンド
③ 近代のタバコ
④タバコのゆくえ
- アメリカにおける反タバコ運動
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- BAT社の設立と世界への侵攻
- デュークの世界戦略とイギリスとの衝突
- デュークのアメリカン・タバコ社はカナダ、メキシコ、オーストラリア、アジアへと拡大していった。日本にも「村井兄弟商会」と提携して上陸した。しかし、中国、インド市場で、イギリスのタバコ会社と競合関係に陥り、イギリスでの本土決戦となり米英「タバコ戦争」が勃発する。イギリス側は1901年に主要メーカーが「インペリアル・タバコ社」を設立し反撃した。熾烈な戦いの末和解、それぞれが本国の市場を相互不可侵として、米英以外の世界市場開拓のために共同出資して合弁会社ブリティッシュ・アメリカン・タバコ社(BAT社)を創設する協定を結んだ。
- BAT社は様々な戦略(宣伝隊・蓄音機・映画)で紙巻タバコの侵略をはかった。日本はこれに対抗して1904年にタバコの製造専売制を導入し、朝鮮半島や中国で熾烈な競争に突入していく。インドでは、伝統的タバコ産業に食い込むことが出来ず、イランではタバコ・ボイコット運動が起こった。
- BAT社は、イギリスの海外植民地進出の一端を経済的・文化的な側面から担った。
- トラストの解体とタバコ産業の再編
- 革新主義者のセオドア・ローズヴェルトはシャーマン反トラスト法を駆使し、悪しきトラストとしてアメリカン・タバコ社を射程におさめた。1907年に解体が命じられ、4社に分割された。
- アメリカン・タバコ社、R・J・レイノルズ社、リゲット・アンド・マイヤーズ社、ロリラード社の4つ。
- 1910年代から40年代にかけてアメリカの紙巻タバコ市場は3つの銘柄によって支配された。
- レイノルズ社の「キャメル」
- アメリカン・タバコ社の「ラッキー・ストライク」、---リゲット・アンド・マイヤーズ社の「チェスターフィールド」の3種。
- 原料となる葉タバコ栽培
- 労働集約性と小規模経営という2つの特性が指摘できる
- タバコが自由競争にさらされたアメリカでは、冬の厳しい地域でも小規模農家がタバコ栽培を行う
- 革新主義者のセオドア・ローズヴェルトはシャーマン反トラスト法を駆使し、悪しきトラストとしてアメリカン・タバコ社を射程におさめた。1907年に解体が命じられ、4社に分割された。
- タバコの行方
- タバコの世界市場
- 原料となる葉タバコの栽培
- タバコの弊害
- 受動喫煙の危険性、タバコに起因する疾病・死亡がもたらす医療コストの増加や労働力の損失、葉タバコの乾燥に必要な木材の伐採などによる深刻な環境破壊などなど