2012年実施センター国語の出題内容の大まかな内容


「センター国語は相も変わらず四つの大問で構成されていて、それぞれ評論・小説・古文・漢文となっている」


豚「そんなことは知ってるブヒ。内容を教えれ」

評論:木村敏「境界としての自己」


「評論は木村敏の「境界としての自己」が出典。扱うテーマは、人間の存在認識の話だと思う多分。現代文という科目が「現代における諸問題を論じた現代思想を扱うもの」だと、ちゃんと知ってれば、この内容ではなくとも「存在認識」を扱うものは必ず読んだことがあるんじゃないかな。」


「人間というものは何か?というのは倫理でもよくやるブヒね」


「内容は、「「私」という「個体」は、「内」と「外」との「自我境界」を意識することによって、人間的な「自己意識」が生まれる」というもの。つまりは、自分だけでなく他者との「境界」を認識することで初めて生命が生きてるってこと。おそらく」


「まぁ、当たり前といえば当たり前の話だブヒね」


今回は評論の最後の問題が文章の論理展開を問うものだったので、それを読めば大体の内容は分かるだろう。その正解の選択肢を引用しておく。「まず、環境との境界面における生命維持の営みについて、個体と集合それぞれの場合を対象として考察している。つぎに、他の生物に比して人間の場合は、自己意識の存在が集団と個体との関係を難しくしている、と指摘する。最後に、人間の自己意識は境界を意識するところに生まれそこに生命の営みがある、という結論に導いている」


「この展開をエヴァ人類補完計画と似ているっていう指摘もあるブヒ」
http://hamusoku.com/archives/6595803.html

175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:49:43.36id:qtkq7fa20
評論はマジで厨二病発症してると思った
特異点とかかっこいいわ

307:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 22:56:34.23id:p2FEW/ZHi
評論がエヴァの終盤っぽくてワロタ

308:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 22:58:31.51id:K8yL3C2w0
>>307
自己意識の境界がうんたら

小説:井伏鱒二「たま虫を見る」


「小説は井伏鱒二。国語教科書の戦争教材「黒い雨」でお馴染みだね」


「誰が書いたのは重要ではなく、どんなことが書いてあるかが重要だブヒ。内容を教えるブヒ」


「一人称小説で、テーマは人生の悲しさとか虚しさとか。失われた二十年のこの御時勢だと破壊力抜群というべき現代文のチョイス。主人公は悲しい時にたま虫を見る。その例として4つの体験シーンの回想が入る。本文中で主人公が「私の不幸の濃度を一ぴきずつの昆虫が計ってみせてくれる」と述べていることを押さえられていれば全問正解もいけるんじゃない?」


「人生の悲しさとか虚しさとか。どんな回想シーンが入るのかブヒ?」


「幼少期に兄と喧嘩したり、学生時代に女と価値観の相違になったり。特に無職ニート時代と、就職して仕事ツライ状態の回想はクルものがあるね。伯母との人間関係やキリスト教的背景思想も扱われているけど設問では触れられていないのが残念だ。いかようにも設問が作れそうな気もする。」


「試験問題に出てきた小説が面白くて帰りに図書館とかよくあることブヒ。試験問題は絶好の読書紹介ブヒ。今回の小説の問題は全文らしいブヒけど」

古文:『真葛がはら』


「古文は『真葛がはら』。話しの内容は、(1)東北地方の鷹飼いが書道が好きで、自学自習に限界を感じ、京へのぼるのだが、コネもなくブラブラ→(2)偶然、宮人に書道の熱意を買われて手ほどきを受ける→(3)家に帰るも幕府の方針で蝦夷地行き、という展開」


「古文は和歌の解釈がいつもビミョウなのブヒよね・・・。どんな出題だったブヒ?」


「現代語訳と文法は易しかったかな。特に古語のところは文脈で解けちゃうし、文法も尊敬の「る」、断定の「なり」、完了の「ぬ」、サ未四已「り」の4つは基礎の基礎だしね。読解も文脈で解ける。あと和歌の解釈はやっぱり出た。和歌の解釈を間違わなければそれほど痛い目にはあうまいよ?」

漢文:孫宗鑑『西よ瑣録』


「漢文は多くの出題問題のパターンの如く、偉い人がかつての名場面を引用するという展開。話し手は、世界史でもおなじみの蘇軾。讒言によって捕えられた蘇軾が復権して都へ戻る道中に当時の獄官に会い、獄官が恥じたのに対して皮肉を込めたユーモアな引用話をしてあげるのだ」


「どんな引用なのか気になるブヒ」


「大雑把に言うと、死後の世界の冥府が舞台。そこで生前の裁きを受けるのだが、蛇と牛が出てきて、人を殺したけど、自分らは薬にもなるからそれで罪を贖うとかいって、罪を免れる。これに乗じて、ある人間が自分も薬になるぜとか言って罪を逃れようとするのだけど、お前人間じゃん?とか激怒される。だから、恥じて怖れた、と終わる」


「ああ、獄官が恥じたから「あるあるネタ」で恥じ恥じエピソード語ってやったブヒね。」


「解釈はほとんど文脈で分かる問題が多かったね。漢文訓読と書き下し文を間違わなければ大丈夫かと思われる」