ツクモノツキ体験版の感想・レビュー

ツクモノツキの印象は伝奇系風味の妹重視キャラゲー
自立を急ぐあまりギクシャクしてしまった妹との関係性がみどころ。
深い心情描写を期待したが、体験版では途中からキャラゲーです。
妹の立ち絵は可愛いが、複数ゲンガーなので、ヒロイン並ぶと違和感も。

作品の設定と展開

主人公くんは、両親失って妹と二人暮らしで幼少期の記憶は喪失しているというお約束な設定。親戚をたらい回しにされた結果、自立を望み、バイトしながら妹を養う日々。だけれどもその独立志向は妹に精神的な負い目を負わせていた。昔は仲が良かったはずなのに、どことなくギクシャクしていしまい、お互いに息苦しさを感じてしまう。『こいとれ』の主人公くんと境遇が近い。主人公くんは自立を自分のアイデンティティにしているんだけど、そのためには「妹を自分で養う」というエゴが入っていて、妹にそのエゴを押し付けている。そのエゴは主人公くんの存在理由を見せ掛けに強く肯定するものであるので、失ったら精神崩壊さ、ヒャッハー!!けれども、その独りよがりをヒロインたちが埋めてくれて妹に対する接し方も次第に変化していく、という展開。そして、あれだけぎこちなかったのに、いつの間にかキャラゲーのノリに。

ヒロインのキャラクター表現について

ヒロインは4人で、嫉妬系炉利妹、不思議炉利少女、強気っ娘剣道幼馴染、みせかけ無能巫女。体験版だけの雰囲気だけだが、物語の軸になるのは、ダブル炉利少女。嫉妬系炉利妹は、主人公くんのことが大好きなんだけど、自分が病弱で負担をかけていることを引け目に感じており引っ込み思案。だけどお兄ちゃんが他の女と仲良くしていると嫉妬の黒い感情を抑えきれないの。そんな妹との2人だけの空間セカイ系の話も、不思議炉利少女が現れたことから変化していく。体験版では見事端折られましたが、記憶喪失な主人公くんの過去にも、この不思議少女が関係している。文脈から類推するに、不老長寿の神社に祭られている御神体的な何かな存在。精神年齢的には小学校低学年並み。そして強気っ娘剣道幼馴染は、霊感体質という設定で伝奇風味なこの作品に絡んでくる。男友達の感覚で付き合っていたから女として意識すると戸惑っちゃうのという有り勝ちなキャラ設定。最後の巫女は、毅然として有能そうだけれども実生活では無能で何も出来ず、男に主導権を握られたい感じ。これらの人間関係がどう変わっていくかというところで体験版終了。