雑録

この大空に、翼をひろげて 姫城あげはシナリオの感想・レビュー

この大空に、翼をひろげて』のあげはルートは、「幼なじみの関係性変化」。
あげははとても可愛いのだが、シナリオは残念な感じ。
「主人公の親友系ヒロインは個別√に入った途端ぐだぐだになる」の法則が発動だ。
精神的未成熟な少年の子供っぽい女性観に対する苛立ちを読むことになります・・・。
主人公くんが何もしないままご都合主義的ハッピーエンドになってしまった。

姫城あげはのキャラクター表現とフラグ生成過程

姫城あげはは男友達系なノリを有する親友的ポジションで、かつ時折見せる乙女心が可愛さを醸し出しているという、とてもステキなキャラクター表現を有している。しかし如何せんシナリオがもうちょっと何とかならんかったものか。概要は次のような感じである。ヒロインと主人公くんは、数年を経ての再開でも、その幼なじみっぷりは変わらず、気の置けない仲でツーカーの関係。主人公くんは怪我による自転車競技の挫折を秘匿していたが、その罪悪感の告白は既に体験版の共通√で消化されてしまっていた。では、個別√で物語を動かす原動力となるのは何か。それは、女を独占したい幼稚な少年の心情描写であった・・・。あげはは主人公くんに対してそれはもう好感度MAXであり、ゆきずりの関係から肉体関係を早々に許してしまう。だが、過去における主人公くんへの負い目から好意を表明することを頑なに拒否するため、主人公くんはヤキモキする、というパターンを延々と繰り返すのだ。しかもあげはの妹のほたるが当て馬として消費される始末。ほたるも良いキャラクター表現で構成されているのに勿体ないね。


しかもあげはの過去の負い目が割とどうでもいい内容。具体的には以下の通り。あげはは、幼少期に主人公くんの告白を断ったが、直後に主人公くんは転校してしまった。悔やんだあげはは、幼なじみ達で作った秘密基地で待っていれば、主人公くんが帰ってくると思い込むようになる。そうすることで自我の均衡を保とうとしていたのだが、再開発で取りつぶされることになる。駄々を捏ねて守ろうとしたのだが防衛は失敗し、一時的に精神崩壊してしまったのでした、という内容。で、その過去のトラウマを現在の大切なモノの喪失に照射していたがために、積極的に主人公くんとのグライダー作成に取り組もうとせず、影で暗躍しようとしていたのでしたということさね。最終的にはグライダーを飛ばことに成功してハッピーエンド的な感じになるのだが、小鳥√であんなに丁寧にシナリオ書いていただけに、落差を感じざるをえない。