雑録

『幼馴染と十年、夏』体験版 の感想・レビュー

現代社会に適応できないヒロインを救うことで、男も自己救済される「少女救済」モノ。
イジメられっ子で家庭が不和なワケあり少女と、挫折により敗残者となった主人公くん。
お互いの心情の機微と安易に立たないフラグのもどかしさをとくと見よ!!
すごく面白いのでオススメ。体験版だけでもやる価値あり

『幼馴染と十年、夏』体験版の概要

この作品の体験版は小学生編の後半までと中学生編の冒頭をプレイすることができます。小学生編では主人公くんのよーちゃんが、幼馴染で苛められっ子のえりちゃんのイジメ問題を学級会で糾弾しようとし、失敗に終わったところから始まります。よーちゃんは思春期の発達段階により異性と遊ぶのを嫌がるギャング=エイジに突入しており、えりちゃんと疎遠になっていましたが、たまたま日直が一緒になります。学級委員であったよーちゃんは、その時にえりちゃんが日直を押し付けられて何日もやらされているのに気付いてしまったのです。担任は若くて美人だったものの、事勿れ主義でイジメを見てみぬふりをする酷い女であるように描写されています。この描写が秀逸で、H2Oの女性教諭を彷彿とさせるほどですね。吐き気がします。こうしてよーちゃんは学級内の新たなスケープゴートの対象として血祭りに上げられるのでした。「少し勉強ができるからって調子こいてる」、「いつもえばっててえらそうなんだよ」、「委員長は点数稼ぎ」とかいうような言葉(意訳)で罵られる場面は分かってていても、複雑な感情を抱かざるを得ない。


こうしてイジメ問題を抱えたまま夏休みに突入し、よーちゃんは独り寂しい夏休みを過ごすことになったのでした。そこへ遊びに来てくれたのがえりちゃんでした。えりちゃんと一緒に風呂に入ったことを意識してしまったり「ぷよぷよ」で惨敗したり宿題やったりカバー付け替えて漫画読んでるのがママンにばれて怒られたりとノスタルジック満載でお届けされます。性的に意識して気まずくなったままえりちゃんが帰省したためしばらく会えず悶々としたりとかきゅんきゅんしますね。そして数日振りにあえて狂喜乱舞しながら夏祭りデートへと突入。そのときにもえりちゃん家庭問題フラグは立ちまくり。夏祭りといったら少ない金額のお小遣いでいかに費用対効果を捻出するかという問題に頭を悩ませましたよね。よーちゃんが的屋にオマケをしてもらい綿菓子を1本当たり100円で購入したときのよっしゃあ感には同意せざるを得ませんね。


そして幼馴染といったら夜店で買った子供向けお洒落グッズですが、文脈からは髪飾りを買ってあげた模様。こうしていいところで体験版は終わるのですが、よーちゃんはえりちゃんに何かトラウマに残ることをしでかしてしまったようです。フツーに考えて同級生に見られて冷やかされて心にもない言葉をえりちゃんに吐くと類推されますが果たして。こうして中学生編に突入です。中学生編では、おなじ学校に通うものの二人は疎遠であり、主人公くんは挫折を味わい悲壮感を漂わせたまま生活してきたことが描写されます。そんななか中2の夏休みにまた旧交を温める感じに次第になってきます。このゆっくりさがなんともいえません。えりちゃんのことを考えて煩悶したり図書館で涎たらしながら寝ているところへツンツンされたり、棘が刺さったのを手当てしてもらう変わりに勉強を教えることになったりと郷愁に駆られること間違いなし。「水兵リーベのBってなんだ?」「ボミオス!!」の流れは繰り返して読んでしまう。これで体験版は終了ですが、体験版だけでも周回プレイ。