雑録

Re:birth colony -Lost azurite- セルリアルートの感想・レビュー.txt

リバースコロニーのセルリアルートは人類補完計画なおはなし。
社会的な諸問題の原因を「個人が分かり合えないこと」に求め、人類統合をはかります。
その方法が生身の人間をハードウェアにしてファイル共有ソフトをインストールすること。
そんなSFモノ?に貴族と庶民の身分差の恋というありふれたスパイスで味付けされています。

セルリアのキャラクター表現とフラグ生成過程

セルリアは上位貴族のお嬢様。だが地位にあぐらをかく無能な育ちではなく、頭の回転のはやい肝が据わっている少女でした。主人公くんは当初セルリアと打算的な関係を構築していきますが、彼女の人間性にもまた惹かれていきます。ですが主人公くんは、大塚久雄が言うところのロビンソン的な人間であり、利潤追求を第一条件とする合理的な思考の持ち主でした。そのため、上位貴族と交流を持つことのリスクを危惧していたのです。そんな利己的な人間である主人公くんが、「女を愛するようになる」ということがこのシナリオの見せ場の一つではないでしょうか。セルリアは両親を亡くしたことで意識的無意識的にヒトのぬくもりをもとめる性質がありました。そこに重なる唯一の肉親である祖父の死。傷心な女の物寂しさを慰めるため、主人公くんはついに利害関係での葛藤を捨て去るのでした。Pity is akin to love.可哀想は惚れたってことよ。


で、フラグ成立後は社会的な問題に立ち向かうことになるのが物語のパターンのお約束。少女が抱える個人的な問題⇒解決してフラグ成立⇒社会的な問題の発生⇒二人でみんなと協力して大団円という流れですね。セルリアルートの場合は「集合的無意識による人類統合」が扱われるます。国家間、民族間の紛争を初め、人間関係のトラブルがどうして発生するかと言うと、それは「分かり合えない」からです。結局のところ、人間は他者の感情を類推することはできても、自分自身が感じ取れるわけではないのですね。ですがそれが可能だったらどうでしょうか?と、いうことで、人間の生身をハードウェアととらえてファイル共有ソフトをインストールし、リンクしあえるようにしましょう。ここでは人類統合の問題点については深く扱われず、ソフトウェアが不完全であり昏睡してしまうことが問題視されます。結局のところ、この人類統合のためのソフトで問題発生したときのセイフティでカウンターシステムであったのがアズライトでしたよと問題解決よかったねとハッピーエンドを迎えたのでした。