あえて無視するキミとの未来「真鍋計」ルートの感想・レビュー

真鍋計ルートは、「幼なじみ関係性変化」と「複数からの選択」。
普段は仲がよすぎておちゃらけているが、二人きりの時に見せる少女の姿が素敵。
しかし、その後は関係性変化が丁寧に描かれることもなく、ギャグに走る。
そして好意を寄せる複数ヒロインからの選択も扱われるのだが、唐突にフェードアウトして終わる。
主人公くんはこのシナリオでも特に何もしません・・・。部分的な会話のやり取りは結構好きです。

真鍋計のキャラクター表現とフラグ生成過程

  • 幼なじみ関係性変化
    • 真鍋計はノリの良い元気系幼なじみ。だが主人公くんに合わせて自分を変えていった結果であり、中身は割りと恋する乙女だったりします。しかしそんな姿は見せられなくて、オチを付けてギャグと冗談とちゃらけた結果にしてしまっていました。それもそのはず、主人公くんには思いを寄せる妹がいたり、逆レイプをして童貞を奪った先輩がいたりとなかなか困難な状況だったからです。そんな真鍋さんが主人公くんと二人きりだけの時に見せる少女としての姿はわりときゅんきゅんします。ジュースの缶で間接キッスをしながら主人公くんの手をとって「ときめかないねー」とホントウはときめくまくりの癖にきゅんきゅんしながらも懇ろな感じを現わす表現がとてもいい感じです。主人公くんにとってまさに計はよき理解者。施設から引き取られたことも、養父母が主人公くんの両親を事故で殺したことも、その事故の原因が主人公くんの義妹の病気に起因していることも、主人公くんの悩みは、この真鍋さんが受け止めてきたのです。ハラショー!まさに幼なじみの鏡。だけど十年来の思いを今更打ち明けられなくて・・・。さぁ、この関係性変化をライターさんはどう描くのか!?と読みすすめていくと・・・真鍋計さん、教室で主人公くんを想いながら机の角オナヌー開催・・・!?


  • 角おなぬーからフラグ構築
    • 少女が秘めた思いを発露している描写を垣間見るというのは「関係性変化」をもたらすパターンとしてよくあるもので、中々読んでて楽しいものです。ですが真鍋さんの丁寧な心情描写が完全にギャグ路線にシフトチェンジしてしまいました。こうして少女が主人公くんにおなぬーを見られたことからフラグ成立。そして二人が、その仲を見せ付けるように乳繰り合う姿が描かれていきます。プレイヤーはニヨニヨしながらも、フラグ成立という「個人的な問題」解決後に二人に迫る困難である「一般的な問題」は何が起こるのかとドキドキしていたことでしょう。「中田氏腹ボテ系カナー?」とも予想しましたが、「複数ヒロインからの選択」が発動しました。
  • 複数ヒロインからの選択
    • 主人公くんの幼なじみには、真鍋さんのほかに、あともうひとり、仲の良い田中流々という少女がいました。流々は幼少期の頃、主人公くんの接吻を奪ったりとワケアリな感じでした。そんな流々と真鍋計さんとの間で「選ばれなかったヒロイン」が扱われるのですが、なんと田中流々は唐突にフェードアウト。夜逃げや借金、両親と一緒に暮らすなどの問題を抱えたまま、何も言わずに去っていこうとします。主人公くんが頑張るのはこのあとちょっとだけ。チャリで必死に走り、電車と交差する陸橋で、最後の言葉を交わすことに成功するのでした。数日後・・・主人公くんと真鍋計さんは放心状態で時を過ごしていましたが、田中流々が転校先でも放送部に入ったとの連絡を受け、再び前向きに部活動をしようと部室に向かうのであった!!と終わりました。シナリオの全体から見ると、安易な感じがしますが、それでもお約束ごとを使ったギャグはアホっぽくて中々楽しめました。