夏空のペルセウス 皆川翠ルートの感想・レビュー

皆川翠ルートは、郷土愛と過疎化についてのおはなし。
翠ちんは、村への愛が強すぎて、人口流出を極度に怖がるの。
しかし、個人的側面の感情問題であっさり解決!
社会的な問題を抱えるテーマでセカイ系的展開をされましても!!
短い!短すぎるよ!このシナリオ!!

皆川翠ルートのキャラクター表現とフラグ生成過程

皆川翠は明るく元気で積極的な女の子。その翠の他人への接し方は主人公くんの価値観を転換させます。主人公くんは、過去のトラウマにより、他者と接することを避けようとしがちな人格でした。そのために妹と廃村寸前の村にやってきたのですね。ですが、そんな主人公くんのATフィールドを難なく突破し、あっさり、考え方を改めさせたのでした。主人公くんが、他者との接触を怖れる反面、自己の存在意義を見いだそうとして足掻いていたとはいえ、この主人公くんのトラウマは物語のキーポイントとなるのに、こうも即座に心情変化されると、視聴者は置いてけぼりですよ?そんなわけで、他者との関係構築に積極的になった主人公くんは、翠の抱える問題解決に乗り出していきます。翠は郷土愛が強すぎる女の子でした。自分の兄や姉が「絶対に戻ってくるよ」といいながら都会に人口流出してしまい、村がどんどん過疎化していく姿に恐れを抱いていたのです。


「外の世界に出たくない」という精神的未熟さを抱える翠は、クラスメイトが進学を契機に都会へ出るという話題でファビョりだしてしまいますさらに「主人公くんと恋人になったのも男を引き止めていたいからなのでは?」と指摘され精神崩壊。そんな翠を主人公くんがカウンセラー!!弱っており心のスキマを見せる女を無条件で肯定してやり、どす黒い内面と向きあわさせる。翠は自分の感情と対峙し、「主人公くんに一緒に村を出ようって言われたら、大好きなお父さんやお母さんや、この村を捨ててもいいって、そう思った自分が一番怖かったの」と心情吐露。こうして自分を見つめることのできた翠は成長し、村にいたいと駄々を捏ねるのではなく、外の世界を知ることを受け入れるのでした。主人公くんは女の子に肯定されることでトラウマを克服し、女の子の問題を解決してあげることで男性的欲求を満足させることができたのですね。典型的な少女救済モノですね。めでたし、めでたし。主人公くんたち以外に第三者としての「大人」が介入することも無いセカイ系的な舞台で、社会的問題を扱うテーマなのに個人の内面の問題に挿げ替えてしまうという展開はどうなんでしょうね。