ガンナイトガール 風祭ルートの感想・レビュー

ガンナイトガールの風祭ルートは「依存体質の女を自立させる」おはなし。
全体的にテンポが遅く感じ、少女のトラウマに根気良く付き合うことになる。
民間人の「何もできない感」の表現は巧みだが、フィクションで「何もできない感」を追体験しても。
ここでも最終的になんで戦争してるのかは明らかにならない(作品自体にする気がない)。
風祭は軍属を離れ、主人公くんと家庭を築くエンド。

風祭志乃のキャラクター表現とフラグ生成過程

風祭志乃はツンデレ担当。民間人の主人公くんたちの平和ボケに苛立ち突っかかってくる生真面目で余裕の無い少女です。戦争被害者で兄を空爆で亡くしており、人一倍努力をしていたのでした。しかし、それはただの依存体質の女の裏返しの側面だったのです。風祭は中身のないスッカラカンな女で、軍に所属したのも自ら志願したからではなく、父親に命令されたからでした。戦争のトラウマを抱えており、人を殺すことを忌避し、銃の引き金を引くとPTSDが発動しちゃうメンヘラ女だったのです。主人公くんは、そんな風祭のトラウマを克服させようと頑張り、懇ろな関係へとなっていくわけです。しかし、自分が兄の代償にすぎないことを感じ取った主人公くんは自分が自分としてみられていないことの焦りから風祭を八つ当たりで断罪してしまうのでした。哀れ。主人公くんは代償となることに対して、どうして苛立ちを感じたのかと自己分析すると、風祭に対して好意を抱いていたからだと自覚したのでした。また風祭も兄の代償でなく、男への代償であることを明示しフラグが成立したのです。

しかし、風祭の依存体質は何ら変わったわけではありませんでした。そこへ風祭をスケープゴートにして罪をなすりつけ、新型兵器の機密を漏洩させようとする事件が起こりました。このままでは、風祭が犯人にされてしまうと危機感を覚えた主人公くんは、阻止しようとします。プレイヤーはそれに付き合うことになるのですが、なんら事件に積極的関与することはできません。この姿を見せつけることにより戦争における民間人の無力さを表現したいのでしょうが、眠すぎます。ラリホーです。グー・・・。で、風祭スケープゴート事件はなんら解決しないまま、突如として現れたテロリストたちが新型ロボットを盗み出し、それを風祭が超能力を使って阻止したのでした。トートツ感は否めません。で、最終的にこの事件によって風祭は軍隊に残ることを諦めます。これまでずっと指示待ち人間で主体性の無い依存体質の女だった風祭は、自らの意志を示して、自ら辞めることを決意したのでした。こうして依存体質の女がなんとか頑張って自立できたんだよ、良かったねというシナリオを読ませられましたとさ。あと二人残ってます。一気に終わらせんのは無理ダナ。