タブレット端末活用セミナー(一般社団法人日本教育工学振興会主催)

平成25年4月27日(土)、東京都港区南アレア品川東京コンファレンスセンターにおいて行われた「タブレット端末活用セミナー」(一般社団法人日本教育工学振興会主催 情報教育対応教員研修全国セミナー)に参加した。
→要項:http://www.sky-school-ict.net/seminar/tablet/

  • この研修の趣旨
    • タブレット端末活用」の研修というお題目であったが、「タブレット」の研修というよりも「協働学習」の研修といった印象が強かった。「協働学習」の手段・小道具としてのタブレット端末という印象が強い報告・講演が多かったのである。最終的には、「教員の授業力」に話が帰結された。「タブレット端末を使えば教員が教科書をよく読むようになる」という台詞の言い回しが多様されていた。このことからタブレット端末を主眼としているのではなく、「新しい教材機器を取り入れれば教員は教材研究を熱心になるようになる」ということを趣旨としていたようだ。
  • タブレット端末活用の6分類…タブレット端末の活用は3つの授業スタイルに応じて6つに分類できる。
    • (1).一斉授業
      • a.【クラス共有】…児童の考えをクラスで共有する
    • (2)協働学習
      • b.【グループ共有】…グループで考えをまとめたり討論したりする
      • c.【交流】…他校の友達や専門家と交流する
      • d.【製作】…作品の製作を共同で行う
    • (3)個別学習
      • e.【収集】…調べ学習で使う
      • f.【習熟】…ドリル教材など繰り返しの学習で使う
  • 個人的な見解…上記の分類で言えば個別学習における実践に近い
    • 情報の整理体系化としてのタブレット端末
      • タブレット端末の利点は情報にアクセスしやすいというところだと思われる。つまり「ノートの見返し」・「知識の集約」が容易であるということだ。学生の典型として「授業のノートやプリント類などは授業中その場限り」で、「せっせとノートにとってはいるが、それを後で見返すことはあまりしない」という状況がある。ノートは後で見返すためにあるのであり、そこから情報を整理体系化して、自由自在に知識を活用できるところまで持って行かなければならない。そこの点でタブレット端末は自分がメモしたことを見返しやすいので有用だと思われる。また「知識の集約」のメリットも大きいだろう。従来、テクスト・問題集・過去問・模試とそれぞれバラバラの形態であつかった知識をサブノートなどに情報を集約させるのが紙面の限界もあり、非常に手間だったが、タブレット端末なら項目別に分け編集しやすいので関連知識をすぐに集め知識の集約がしやすい。例えば、「ロシアの東方進出と露清間の国境線確定条約」について、教科書・資料集・問題集・過去問・模試と様々な形態で触れることになるが、カメラ機能でデータ化し、一つの見出しにまとめておけば、文系科目で必要な「複数資料の参照」を簡単におこなうことができる。
    • 問題演習としての活用
      • 近年では公文式の発展系として、PCに問題のデータを入れておき、それを適宜プリントアウトし演習させる学習が展開されている。個人的には教員が紙でせっせとプリントアウトしている姿を見ると、非常に非効率的だと感じる。生徒のタブレット端末にそのPCにある問題データを適宜配信し演習させれば効率的だと思う。
      • 最近はスマホの学習アプリが充実してきているが、細切れ時間に勉強するのに非常に効果的だと思う。例えばセンター演習などでも1問ごとに解答解説がでるようなものなどを使えば、全ての問題を解き終わってから答えを確認しなくても済み、少しの空き時間を有効に活用できると思われる。