学力観の転換
現在必要とされているのは自己調整学習。子どもが自分の能力を数値化・データ化し、その「数値」を元手としてメニューを組み、自己の「能力」を「自己管理」していくようなやり方が求められている。ただ勉強して知識を収集するのではなく、「自分がどのような思考を経て答えを導き出したのかを思考する」というメタ認知的な能力が求められる。現在、インターネットの発達によって知識そのものを有しているだけでの優位性は衰え、知識を用いて新たな価値を創造することが求められている。その自己調整学習を身につけさせるための手段となるのがポートフォリオ型評価である。
ポートフォリオ型評価
webサイトによるリフレクション
中等教育学校の弊害として高校受験がないため中だるみが起こり、家庭学習時間がゼロになる生徒が多い。そのため受験を学習の動機づけにするのではなく、自然と息をするかのように勉強することが求められる。ここでは情報の参照性と検索性の効率をあげることが必要だ。家庭学習時間がゼロの生徒たちは授業のノートやプリントを見返すということをしない。授業は聞いたら聞きっぱなしでノートを開いて読み直さないのである。授業でのみ完結してしまうので、知識が定着もせず、受け身になってしまうのである。この状況を打破するのが、webサイトの利用である。現在、学校のwebサイトで授業の要旨や学校行事のまとめをUPしているが、生徒は思いの他記事を読んでおり、それが復習になると言っている。つまり学校webサイトが24時間学習環境を提示する効果を生み出しているのである。生徒の多くはスマホを所持しており、情報のアクセス性も高い。そのため、学校webサイトにおいて授業や行事のまとめ記事だけでなく、生徒の学習に組み込むことで効果が期待できる。具体的には、web記事にコメントを書きこませて次回の授業の導入で取り上げたり、授業のレジュメのpdfや参考文献のリンクを貼っておき自由にdlできるようにしておいたりする。そうするだけでも生徒に情報を参照するだけでなく、授業の流れや全体での位置付けを視覚化する効果を生み出すことができよう。授業と授業の合間に生徒にリフレクションさせる機会を設けることで、学習効果があると思われる。