- 著者の問題意識
- 「変わって変わらぬ中国」
- 中国には、激しく揺れ動く政策・権力的変動とその底辺にある容易に変わりにくい社会構造という強い重層性が存在する。それが改革開放の30年間で徐々に溶けるように変わっているところに、中国の歴史的変動の特徴を解く鍵がある。
- 「変わって変わらぬ中国」
新中国の誕生
- 戦時体制下の建国(49年)
大躍進
- 明確に在るべき理想の社会像を提示し、それに向かっての段取りを示したものというより、建設に向けての独自の方法(大衆路線と二本足路線)と意気込み(主観能動性)を強調したもの
- 毛は資源・資金・人材など客観的な条件を十分に考慮することなく、もっぱら「一窮二白論」(窮していることと何もないことは中国の特徴だが、かえってやる気を起こすという意味で素晴らしいとの主張)を展開し、人間の主観能動性を強調し、この大生産運動に挑ませた。
プロレタリア文化大革命
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- 国内に向けて極度の緊張を時には事実として、時には意図的に煽りながら、その中で毛の飽くなき「夢」の追求、政治的ライバルへの仮借なき打撃、建国後形成された社会的差別構造への反逆を利用することにより推し進められた。
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改革開放
中華民族の偉大な復興
- 国家資本主義
- 経済的躍進の一方で、国有株主が強くなりすぎ、中小株主等の地益を浸潤し、民営化を余儀なくされた中小企業の企業統治が、正常に機能しなくなっているという新たな問題も生まれてきている。
- 公平な富の分配よりも経済成長を優先する政策、安価な労働力を比較優位として乗り出した国際競争力の強化は「弱肉強食」の社会傾向を強め、その結果、貧富の二極化、格差拡大を推し進めることになった。
- 海洋発展戦略(2011年・第12次五か年計画)の背景
- 「中所得の罠」
- 「中国2030」(2012年に世界銀行と中国国務院発展研究センターの共同研究成果として発表された報告書)
- 中国は今後、高所得国への以降は可能だが、労働コスト上昇などに伴い国際競争力が低下し成長力が失われるという、「中所得の罠」も問題が浮上すると指摘される。
- 「中国2030」(2012年に世界銀行と中国国務院発展研究センターの共同研究成果として発表された報告書)