雑録

ココロ@ファンクション 蓮ヶ瀬水菜シナリオの感想・レビュー

蓮ヶ瀬水菜シナリオは、自罰的な嘘つき少女のトラウマ解放物語。
周囲に勝手に期待されて、うまくいかないと勝手に裏切られる。
そのことからココロを閉ざし、表面的なコミュニケーションしかしなくなった少女。
そんな少女の本心を受け入れてあげましょう。

蓮ヶ瀬水菜のキャラクター表現とフラグ生成過程


蓮ヶ瀬水菜は外面は良いが腹黒で打算的なクール系のお嬢様。だがそれは作られた人格で、彼女のトラウマに即していました。体験版では、外面が良いver.の蓮ヶ瀬水菜とデートした後、学校で再会すると豹変した腹黒ver.で接せられて衝撃を受けるというのがメインイベントでしたね。では蓮ヶ瀬水菜さんには、どのような過去があったのでしょうか。彼女は大企業のお嬢様であり、そのことから周囲に「お嬢様」として接せられます。誰もが水菜という個人を見てくれなかったのです。水菜が親友だと思っていた人物も水菜の権力を利用しようとする下心で近づいてきました。水菜に対して「権力を行使して甘い汁を吸わせてくれ」と頼み込み、水菜が獅子奮迅しても叶えられないことが分かると、手の平を返したかのように去っていくのでした。こうして他者との人間関係構築に心的外傷を負った水菜は自分の心を偽るようになっていきます。外面を良くして打算的な人間関係を構築し、周囲から好かれるような性格として振る舞うのでした。

そんな水菜は自罰的な思考の持ち主であり、自らが構築した外面良いver.の振る舞いについて負い目がありました。水菜は過去に「嘘つき」と詰られ続けたことから、自分の性格が「嘘つき」の産物だということに無意識的なトラウマを持っていたのです。そんな自己肯定感の低い水菜を肯定してあげればフラグは成立さ。外面的な性格や接し方だけではなく、個人そのものを受け入れてあげたのです。こうして懇ろな仲になった二人の前に立ちふさがるのが封建的な家制度を支配する家長のお爺さん。水菜を愛するもののワンマンで近視眼的で視野狭窄的なお爺さんは、水菜を隔離し保護することが孫のためになると二人の仲を引き裂きます。この問題の解決方法が物語りの題材とされている「液晶型携帯タブレット端末」です。引き裂かれた二人がもう一度話せるよう、全校生徒がタブレット端末を中継させて電波を飛ばします。あーあれだ「アラブの春」の時、ネットが大衆蜂起の温床となった際、政府がネットを切断しようとするも、電波中継器を持ったゲリラによって通信網が構築されたというやつ。こうして周囲の支えにより、水菜は自分を肯定し他者を信頼することが出来るようになります。それを垣間見たお爺さんは、水菜の自立した女性像を認めてあげるのでした。こうして水菜は人間的に成長できてハッピーエンドを迎えます。