恋する夏のラストリゾート体験版の感想・レビュー

社会的問題を抱えた人間達がアルバイトという名目で更正するはなし。
一見するとただ女の子とバイトするキャラゲーのように思われるが・・・
客のいない観光施設・詳細な日誌提出義務・人間行動学専門の管理人など伏線が張られていく。
体験版では羽海√でフラグ成立して結ばれるところまでプレイできる。
羽海がとてもウザ可愛い羽海ゲーでもある。

体験版概要

  • 主人公くんのキャラクター表現について
    • 主人公くんは掛け持ちアルバイトの苦学生。大学での成績もそれなりに良く教授陣からの覚えも良く、日々を懸命に生きています。しかし、それは鬱屈した過去の裏返しでもあったのです。まぁありがちな話ですが、主人公くんの家庭は両親が離婚しており、養育費の件で常に揉めていました。子供心ながらに両親が言い争う醜い姿を見せつけられ人間不信に陥っていくことになります。そのため、自立することを志向し、奨学金とバイトで学費をまかない、社会人になることを切に願っていたのでした。主人公くんは当たり障りのない人間関係を構築することは得意でしたが、心の底では人間を信じることができず、表面的な関係性に始終していました。主人公くん自身、それでいいと思い込もうとしており、少々卑屈なコンプレックスの塊である一面も描写されていきます。そんな鬱屈した男を変えるのはいつだって女の存在ってもんよ。何かと主人公くんに絡んでくる幸崎美羽のおかげで主人公くんは人間関係に前向きになり始めます。

  • メインヒロイン;幸崎羽海
    • 幸崎羽海は世間知らずな大学の後輩。良いところの社会階層の出身です。頭の回転も速く物覚えも良いのですが、何かと考え過ぎてしまうこともあり、自滅していくウザガール。人数合わせで参加したコンパで泥酔し、主人公くんに救済されたものの、何かと突っかかってくるようになります。ウザガールの羽海には今までろくに友達と呼べる存在が居ませんでした。世間知らずで人間関係を構築できず、最初はチヤホヤされるものの、人々が離れていってしまうのです。そんな寂しがりやの羽海に対して、主人公くんの「当たり障りのない人間関係構築技術」はとても心休まるものでした。主人公くんは全てを受け流しているだけでしたが、羽海は自分のことを嫌わずに相手をしてくれる主人公くんに好感度が蓄積されていきます。ある日、羽海が母親から貰った指輪をドブに落としてしまいます。それを主人公くんに探させることになった結果、主人公くんのバイトを潰してしまいました。そんな流れで学費に困る主人公くんを忍びなく思い、羽海は知り合いが経営するリゾート施設のアルバイトに誘うのでした。

  • リゾート施設における目的
    • 羽海と共にリゾート施設のアルバイトに来た主人公くん。ですがそれはただのバイトではありませんでした。まず羽海とのカップル偽装。羽海はバイトの人員に主人公くんをねじ込む際、彼氏だからと述べていたのです。さらに、リゾート施設なのに観光客はおらず、働いているのは皆、どこか社会不適合者ばかり。そして羽海の知り合いでリゾート施設の管理人は、明らかに経済や商業の観点から施設運営を行っているのではないことが描写されていきます。これらに疑問を抱きつつも真面目に労働に勤しみながら、羽海をサポートしていくことで、フラグが構築されていきます。
    • ですがここで問題が発生。なんと提出が義務づけられていた日誌において、羽海は主人公くんを観察するよう命ぜられていたのです。羽海に気を許していた主人公くんにとって、自分の調査がされていたことは、信じていた人にまた裏切られたような気分でした。卑屈になり鬱屈しそうな主人公くんに対して、羽海は自分の心情を吐露し、主人公くんに信仰告白します。色々と良くして貰って嬉しかったと惚れたのだと好意をぶつけ、結ばれることになりました。良かったね。
    • 主人公くんは施設に若干の疑問を抱きつつも、オープンの事前準備に当たって、施設を維持することが目的と名目的な説明にある程度納得してしまいます。ですが、リゾート施設のホントウの目的は社会更正施設のようです。体験版のエンドでは以下のように説明されていきます。「一生懸命なあtの二人だからこそ、何事もなく此処から卒業して欲しいものね。この島での生活で、いろいろ学んで、癒されて……。そして、これまでの辛さを忘れて、これからを笑顔で歩んでいって欲しいわ」