レーシャル・マージ【体験版】の感想・レビュー

レーシャル・マージはファンタジー系「身分差別」学園モノ。
貴族と平民の差を強調する中で、身分差を意識しない純朴ウィルくんが罷り通る!
コンプレックスのカタマリであるようなヒロイン達を救済しオープンハート。
体験版では剣術試験のためのパーティー作りまでプレイできます。
孤児のウィルくんが実は皇族でしたとかいう貴種流離説話展開になったら台無しだと思う。

ヒロインたちはコンプレックスのカタマリ!!


  • 憐れみや施しを極度に嫌う盲目少女メリル
    • メリルは学園でメイドとして働く盲目少女。身体障害者であるため貴族たちにいびられたり難癖をつけられたりしています。それでもメリルは自分の尊厳を保ち卑屈になることなく毎日を強く生きているのでした。しかしメリルは真に強くあるわけでもなく、自分の障害を受け入れることができたわけでもありません。その証拠に他者からの親切を極度に嫌い、優しさを拒絶することで、自己を保っていたのです。他者からの申し出を憐憫や施しと決めつけ、突っぱねることでしか自分を守れなかったのです。そんなメリルの殻を打ち破るのが我らが主人公のウィルくん。ド田舎出身でひたすらに純朴でヒトの悪意を気にしないウィルくんの存在はメリルの闇を照らす光となっていったのです。憐憫や哀れみから優しくしてくれるのではなく、他者と同じように優しくしてくれるウィルくんにメリルの好感度はうなぎのぼりですとも。ウィルくんに「友達」と呼ばれて承認欲求を満たされたメリルが一人芝居を行うシーンはグッとくるね。しかもウィルくんにそれを見られるという演出はテンプレながらニヨニヨとしてしまいます。



  • 王族である身分を厭い不良として振る舞おうとするフィリス
    • 王の妹であるフィリスはわざとヤンキー(死語)を気取る少女です。跳ねっ返りでヤンキーっぽく振る舞おうとするものの元々の高貴な習慣は抜けずナリキレテイナイ感が漂います。作中でも解説されますがフィリスの性格がねじ曲がってしまったものは王族コンプレックスから来ています。「フィリス」としての個人の価値を認めて接してくれるのではなく、周囲の人々はみな「王族」としてのフィルターを通してでしかフィリスに価値を認めないのです。そのため「自己の存在理由」を示すためにフィリスはやっけになっているのです。そんな中、我らがウィルくんは身分差など意識しません。例え王族であろうとも何ら気にせずフィリスに接します。自分の価値を認めて貰いたい、いたいけな少女に誠実に接してあげれば頑ななココロはオープンハートですとも。最近確立された感のあるチョロ子系ヒロインにも分類されそうな勢いですね。ウィルくんが貴族に絡まれていると王族モードが発動し、もちまえのカリスマを発揮してしまい後で恥じるとかもステキ。



  • 平民出身で社会階層の上昇を狙う暗黒溜め込みガール;アリシア
    • 立身出世の夢を描き、体制内での社会上昇を目指す優等生がアリシアさんです。まぁ上部構造は下部構造に規定され制約されるのですが。「人間の意識がその存在を規定するのではなく、人間の社会的存在がその意識を規定する」(『経済学批判』「序言」)。つまりアリシアさんがどんなに足掻いても貴族から利益を啜ることはできてもホントウの意味での社会上昇など出来ないのです。そんな既存の社会秩序の中で藻掻き苦しむアリシアさんには涙がでてくるぁー。アリシアさんは自分を送り出してくれた地方のみんなの期待に応えるためにも優秀な成績を収め、王族のフィリスのお付きとして頑張る毎日。ですがアリシアさんは視野狭隘になっており、ただ頑張るだけで本質を見ようとはしません。上記のフィリスが貴族としての対応を求めていないのに、完全なる従者としての振るまいをしてしまっているのですね。アリシアさんが仕える貴族がフツーの貴族ならそれで良いのでしょうが、これではどんなに頑張っても目的は達せられません。そして「頑張る」ことから来る毎日のストレスをはき出すこともできず、日記に書き込んで暗黒面を溜め込んでいきます。そんな中、ウィルくんが純朴ながらフィリスに気に入られている姿を見て嫉妬しちゃったりするものの、次第にそのヒトの良さに惹かれていくアリシアさんなのでした。